2021年12月11日 新横浜公園四季折々の生きもの観察会 第5回「知ると楽しい!身近な冬鳥観察&ミニリース作り」を開催しました

「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の5回目を開催しました。

 この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しました。

 今回は、新横浜公園の大池沿いを歩いて、冬になるとやってくるカモ類・猛禽類(もうきんるい)・小鳥などの野鳥の観察とクリスマスに向けて公園内の植物を使ってミニリース作りをしました。

 講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。

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 npoTRネット阿部さんから、先ずは双眼鏡の焦点の合わせ方などの使い方を教えてもらいました。風もなく青空のいいお天気です。「太陽が出ているので、絶対に双眼鏡で太陽を見ないようにしましょう。」と約束をして観察をはじめました。

 公園の北側に位置する減勢池(大池)に向かいます。鶴見川の多目的遊水地である新横浜公園は、鶴見川の水の量が増えると越流堤から公園へ水が流入してきます。減勢池は水の勢いを弱める働きをします。

 大池の手前にあるバタフライガーデン付近でモズのはやにえとカマキリの卵を観察しました。

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モズのはやにえ(ケラ)

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モズ

 モズは捕らえた生きものを枝先に突き刺して「はやにえ」を作りますが、その目的が2019年にわかりました。餌の少ない真冬に保存食としてはやにえを食べているオスのモズは声がいいそうです。(歌声の速度が速いほどメスにとって魅力的なようです) 声がいいとモテるので繁殖に有利になるということですね。

  大池に到着すると、鶴見川多目的遊水地の越流提にある水位計のポールの先端にチョウゲンボウがいました。小型の猛禽類です。オスは頭が灰色なので、メスかな?

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チョウゲンボウ

  日産スタジアムへ向かって大池沿いを進んでいきます。大池の対岸にハシビロガモがいました。アオサギもいました。サギの中で最大級の大きさです。

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ハシビロガモ

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アオサギ

 参加者のみなさんが双眼鏡で熱心に観察しています。すると、鳥の鳴き声が聞こえてきました。「カワセミの声がしましたね」とnpoTRネット阿部さん。望遠鏡やカメラをパソコンに繋げた大きな画面でも見せてもらいました。

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カワセミ

 大池の上を2羽飛んでいく鳥がいました。カモの仲間のミコアイサでした。オスは白黒模様で眼のまわりが黒いことからパンダガモとも呼ばれています。この日観察できた2羽は、メスのような色合いでした。

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ミコアイサ 左:オス、右:メス(2020年1月撮影)

 ミニリースの飾りになるものを集めにいきましょう。メタセコイアの落ちた実を拾いました。

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 大池沿いに戻って進むとコサギ、オオバンなどを観察することができました。ミニリースを作った後に、観察できた野鳥をみなさんで確認しましょう。

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コサギ 足をガサガサ動かして獲物をねらっています

 

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オオバン


 冬鳥観察を終えて、ミニリース作りに移ります。npoTRネット亀田さんが作り方を教えてくれました。素材はすべて新横浜公園の植物です。リースの部分と飾りに使えるモミジバフウ、ハンノキ、松ぼっくり、フヨウ、ナンキンハゼ、トウネズミモチを用意してくれています。リースは枝垂れ柳でできています。加えて、野鳥観察の途中でみなさんが集めたものを自由に飾り付けしていきます。

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  メタセコイヤの実にワイヤーを巻き付けてネックレスのような飾りをお父さんが作ったり、赤いバラの実、白いナンキンハゼ、黒のトウネズミモチを組み合わせた飾りをお母さんが作ったり、お子さんがリースに取付けたり、家族仲良く作っていてとても楽しそうでした。

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 最後に今日、みなさんで観察できた鳥をホワイトボードに書き出してみると、27種類もいました。夏には10種類くらいを観察することができます。冬の方が多くなりますが、27種類はとても多い方です。ちなみに昨年冬の生きもの観察会では17種類でした。またたくさんの鳥に会いに新横浜公園へお越しください。

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 なお、今回観察会のために特別に植物を採集しましたが、普段は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

  今年度の四季折々の生きもの観察会は終了となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。このイベントは、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただきました。誠にありがとうございました。