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笑顔のスタジアム

STADIUM OF SMILES

コラムタイトルStadium of Smiles ~笑顔のスタジアム~

Stadium of Smiles ~笑顔のスタジアム~

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小倉 純二
日産スタジアム名誉場長
昭和13年8月14日生まれ
日本サッカー協会会長、FIFA理事、東アジアサッカー連盟会長を務める。
現在、日本サッカー協会相談役
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Jヴィレッジから聖火リレーがスタートしました。神奈川県にも来ますよ!
2021.03.31

聖火リレーが、東日本大震災の際に原発の対応拠点となったJヴィレッジから、FIFA女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」の皆さんにより3月25日にスタートしました。120日をかけ日本全国を走り抜け、神奈川県には、6月28日から30日までの期間に参ります。「なでしこジャパン」は、東日本大震災を背負い、懸命に頑張ったことが評価され選出されました。
今年も、2月14日、3月20日と東日本大震災の余震と思われる地震がありました。10年間、耐え抜いておられる東日本の方々に、改めてお見舞い申し上げます。
私は、「なでしこ」だけではなく、東日本大震災に頑張ったサッカーマンをこの機会に紹介しておきたいと思います。

加藤 久さんです。読売クラブなどで活躍し、日本代表のキャプテンも経験して、現在京都サンガの強化育成本部長を務めています。加藤さんは、宮城県利府町の生まれで、実家も被害に遭われていますが、日本サッカー協会のサッカーファミリー復興支援特任コーチに就任され、短期間に青森県三沢から福島県南相馬までの被害の大きかった沿岸部を中心に廻られました。そして、沿岸部は、地震の災害が多く、子供達がサッカーをやれる平らな場所はどこにもないと報告しました。
そんな時に、岩手県宮古市には、「グリーンピア三陸みやこ」という総合リゾート施設が高台にあり、災害時には地元田老エリアの住民の方向けの400軒の仮設住宅が建設されていましたが、ガラス張りの立派な体育館もありました。フットサルコートが4面取れる大きさです。加藤さん達が、ガラスを保護する防球ネットを張れば、使用してよいとの許可をとったのです。地元との折衝が大変だったと思います。
静岡チャリティーパーティーの収益金と日本サッカー協会の復興支援金とで、防球ネットとゴールポストの準備をして、2012年4月28日,29日に、三陸沿岸各地の小学生チームを集めて記念のフットサル大会を開きました。宮古市の山本正徳市長も出席し、ミゲル・ロドリゴ日本フットサル代表監督(当時)と加藤さんが、子供達と笑顔でフットサルをプレイしました。震災後の楽しいひと時であったなぁと思い出します。

東日本大震災から、10年経ちましたが、まだ、まだ、復興には至っておりません。そして、この2年間は、コロナ感染で私達の生活は制限を受けています。まだまだ続きます。なんとか、ワクチンの助けを借りつつ、聖火リレーと共に、東京オリンピックのサッカー試合を日産スタジアムで迎えたいと願っております。