新横浜公園生きもの観察日記342

観察日 : 2020年 8月14日(金)

場 所 : バタフライガーデン周辺、水路周辺、大池周辺

生きもの: ショウリョウバッタ、ハラビロカマキリ、スッポン

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 梅雨が明けたのは良いのですが、急にやってきた異常な暑さのせいで早くもバテてしまいそうです。その反面、セミの大合唱もやっと聴こえてくるようになり夏本番で嬉しい気持ちもあります。

 さて、今日は暑さが厳しくなる前の時間帯に観察へ向かいました。とはいえ、朝7時の時点で既に30℃近い気温になっていて、少し動いただけでも汗が吹き出てきます。暑さにはめっぽう弱いので、日陰で小休止しながら観察をしていくことにします。朝の人が少ない時間なので、まずは園路に出てきている生きものはいないか探してみましょう。前方10mほどのところに笹の葉のようなものが落ちて・・・いえ、歩いています!近づいて逃げられてしまっては嫌なので、カメラでズームアップしてみます。シュッとした体型に長い後脚と顔。昆虫図鑑に絶対載っている大きなバッタの仲間、「ショウリョウバッタ」でした。

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ショウリョウバッタ(上:♀/下♂・・・雌雄で体格が全く違います。)

  上の2枚の写真で上の体格のガッチリしている個体がメス、下の華奢な体格の個体がオスです。雌雄ともによく飛びますが、オスは飛ぶときに「キチキチ」と音を立てるため、「キチキチバッタ」と呼ばれることもあります。体格が大きく違うので別種と思われがちですが、種類を調べるときは要注意です。ショウリョウバッタは漢字で「精霊飛蝗」と書き、お盆の時期に成虫が現れることや、精霊流しで流す精霊船に形が似ていること等が名前の由来とする説があります。確かに、つい先月までは見かけるのはまだ翅(はね)の短い幼体ばかりでした。生きものの名前の由来は調べてみるとなかなか奥が深くて面白いので、みなさんも気になった生きものがいたら是非、調べてみてください!

 写真を数枚撮ったところでショウリョウバッタは草むらの方に逃げて行ってしまいました。昆虫にとってもアスファルトでできた園路は暑かったのでしょうか。いつもはこの後大池の方へ向かうのですが、今日は少しルートを変えて水路の方へ向かいました。水路脇から視線を感じたので、上を向いてみるとクワの木の枝から「ハラビロカマキリ」に見られていました。

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こちらを覗き込むハラビロカマキリ

 樹上性のカマキリとしても知られるハラビロカマキリ。新横浜公園でも夏場によく見かけますが、このクワの木で3年ほど連続して確認できています。お気に入りの場所なのか、人が通っても逃げる気配は全くありませんでした。

 ハラビロカマキリとはここでお別れし、大池へと向かいます。観察をはじめて約2時間。気温が上がってきました。スマートフォンで気温を確認すると・・・32℃!?暑い、暑すぎる・・・。ただ、これだけ気温が高くて日差しがあれば、カメたちが甲羅干しをしているかもしれません。カメラ越しに大池の対岸を見てみると、大物がいました!「スッポン」です。

 

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甲羅干しをするスッポン

 

 写真では少しわかりにくいかもしれませんが、シュノーケル状に伸びた鼻に舟のオールのような脚、柔らかい甲羅がスッポンの特徴です。これくらいの大きなスッポンは久しぶりに観察できました。感動しつつも「こんなに暑いのに、よく大丈夫だなぁ・・・」と私はただただ感心するのみでした。

 地域によっては40℃を超える気温になる日もあります。新型コロナ対策でマスクは必須となっていますが、熱中症にも十分に気をつけて新横浜公園をご利用下さい!

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