芝生観察日記 第110話

芝生観察日記の第百十話です。

令和二年10月19日(月)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 三葉目が出始めました。

 日数だけでみると例年とあまり変わりませんが、今年はとにかく生育が遅れています。

 原因は天候です。9月から秋雨前線の影響により曇りや雨の日が多かったのですが、10月に入っても変わらず、今月に入って一日5時間以上晴れ間が出た日はわずか2日しかりません。

 今年の傾向として、11月下旬並みの気温の日もあり、気温が低いのが特に影響しています。冬芝と言ってもさすがに幼少芽では厳しい環境です。

 s-三葉.jpg    

 あまり良い写真が撮れなかったので、端の方から1本抜いてみました。葉の間から小さい葉が出始めているのが分かりますか。例年3週間も経つと殆どの株が三葉を出すのですが、今年は掻き分けてようやく探しだしました。

 明後日にはJリーグが開催されます。播種後の使い始めのタイミングとして三葉という基準を設けていますが、この調子では全体が三葉で揃う前に使うことになりそうです。

 日産スタジアムでは、16日から18日まで全国中学生陸上競技大会2020が開催されました。

日産スタジアムで行われた今年度初の全国大会です。残念ながら今年は無観客での開催となりましたが、選手達にとっては開催できたことが何よりだったと思います。

 s-全景.jpg

 前回の観察日記で書いたように、この大会自体はサッカーやラグビーのように直性芝生を傷める競技はありません。特に、今大会はジャベリックスローや円盤投げといった投てき種目がなかったため、芝生のダメージは軽度でした。

 唯一、芝生に影響したのが砲丸投げです。中学生レベルでは直接砲丸が芝生に落下する選手は限られていますが、落下域に落ちた砲丸が芝生まで転がるので、それを回収する競技役員さんが同じ場所を往来するためダメージとなります。これは不可抗力なので仕方ありません。

s砲丸落下域.jpgs砲丸芝ダメージ.jpg

 今回の大会開催にあたっては、新型ウイルスの影響でJリーグの日程が過密になり、この大会による芝生への影響が懸念されたため、日本陸連さん並びに関係者の皆さんには迷惑をお掛けしましたが、ご理解とご協力をいただいた結果、影響は軽度で済みました。

 ただ、今年は先の通り芝生の生育が鈍いので回復させるため今後は特別な管理を施していく必要がありそうです。

 s-芝生接写.jpg ナイター照明に照らされた芝生は綺麗ですね。角度によっては。。。

 日照が得られず、雨で土壌が過剰な水分を含み、気温が低くて生育自体が鈍化しているので芝生自体の免疫力も低下しています。結果として夏芝に病気が出てしまいました。しかし、雨ばかりで薬剤も撒けず、打つ手なしの状態です。

 とにかく天候が安定してくれるのを待つのみです。