新横浜公園生きもの観察日記374

観察日 : 2022年 8月30日(火)

場 所 : 水路付近

動 物 : キアゲハ、オンブバッタ、ニホンカナヘビ

植 物 : ツユクサ、マルバツユクサ、ガガイモ、ハマカンゾウ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

  

 雨が降り出しそうな曇り空。時折吹く風に暖かさはなく、秋の近づきを感じます。今回は田んぼの方の水路から観察開始。水路の流れや植物の様子を見ていると、緑に黒い縞模様がある大きなイモムシがいました。キアゲハの幼虫です。よく見ると近くにもう2匹。食草のセリを食べていました。他の場所でも多数確認。6月、7月はあまり目にしませんでしたが、幼虫が成長して、急に目立ってきたのかもしれません。

20220906①.jpg緑に黒い縞模様のキアゲハの幼虫

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セリに産卵するキアゲハ(8月19日)  産みつけた卵。すぐそばには幼虫(8月19日)

 キアゲハの幼虫以外にも、セリをむしゃむしゃ食べている生きものがいました。オンブバッタです。バッタは、イネ科の植物を食べるものと思っていましたが、オンブバッタの食性は広く、様々な植物を食べるようです。

20220906④.jpgセリを食べるオンブバッタ

 お馴染みのツユクサ。青い花びらがとても涼しげですね。近くには、ツユクサに似たマルバツユクサも咲いていました。名前の通り葉が円いため、見分けは容易です。関東地方以西の海岸に近い場所に自生。県内で見られるものは、栽培品と考えられているようです。

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ツユクサ              マルバツユクサ

 水路には、ツルマメやヤブガラシ、ガガイモ、クズなど何種類かのつる草が生えています。咲いていたのは、星形で毛が密生した可愛らしいガガイモの花。所々にコアオハナムグリが訪れており、名前の通り花に潜っているものも。花粉や蜜を食べているのでしょう。体表には毛が生えており、花粉がたくさんつきやすそう。虫媒花の受粉を担う代表的な一種と言えるのではないかと思います。

20220906⑦.jpgガガイモの花にやってきたコアオハナムグリ

 ハマカンゾウは、8月中旬から下旬が花盛り。この日は、107輪咲いていました。尾瀬で有名なニッコウキスゲ(和名:ゼンテイカ)と同じワスレグサ科の一種。英名では、Daylily(デイリリー)と呼ばれるように一日花です。花は美しく、若葉や乾燥させたつぼみ(金針菜)は食用に。グランドカバーとしての能力も高く、鶴見川の川辺に多く、花粉症の一因となっているネズミホソムギ等の外来種対策としても有効であるため、鶴見川流域では、ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ハマカンゾウを広げていく活動が行われています。矢印の場所では、カナムグラのつるに乗っかり、お花見をしているようにも見えるニホンカナヘビの姿もありました。

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20220906⑩.jpgニホンカナヘビもハマカンゾウをお花見?

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