新横浜公園生きもの観察日記350

観察日 : 2020年 12月8日(火)

場 所 : 水路周辺、大池周辺、テニスコート周辺、バタフライガーデン周辺

生きもの: モンシロチョウ、クヌギカメムシ、ヒロヘリアオイラガ、オオカマキリ、

カンムリカイツブリ

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 いよいよ冬本番。朝晩だけでなく、日中の冷え込みも厳しくなってきました。それでも、晴れた日は気温が15℃を超えることもあり、今日は思っていた以上に多くの生きものを観察できました。今回は、その一部をご紹介したいと思います。

 水路脇に植栽されたサクラの幹を見ながら歩いていると、小さなアオムシが一生懸命によじ登っていくのが見えました。皆さんご存知、「モンシロチョウ」の幼虫です。

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サクラの幹を登るモンシロチョウの幼虫

 

 キャベツやアブラナ類の葉を食草とすることで有名なシロチョウの一種ですが、写真の個体以外にも、数匹観察することができました。モンシロチョウは蛹(さなぎ)で冬を越すので、おそらく、蛹になるのに都合のいい場所を探していたものと思われます。来春、無事に羽化できるよう祈るばかりです。

 場所を移動し、別の水路の近くにやってきました。この辺りにはクヌギが植栽されているので、夏場はカナブンやカブトムシが観察できたりもします。さすがに冬なのでカブトムシはいませんでしたが、少々気になるカメムシがいました。「クヌギカメムシ」です。

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お腹が膨れたクヌギカメムシのメス個体

 

 クヌギやコナラの樹上で暮らしている緑色のカメムシです。メスのお腹が膨れているのは卵を抱えているためで、病気ではないのでご安心ください。秋の終わり頃から卵を産むようです。

 今度は大池沿いに歩いていきます。木の幹にまたしてもアオムシらしき姿が見えたので近寄ってみると、ケムシでした。「ヒロヘリアオイラガ」の幼虫です。

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 ヒロヘリアオイラガ(左:幼虫/右:成虫)

 

 本種を含むイラガ類の一部は幼虫時代に身を守るための毒針を備えています(毒のない種類もいます)。触ると電気が流れたような痛みがあるそうなので、間違えて触らないようにご注意ください。テニスコート脇の木に成虫がいましたが、こちらは無毒なのであまり邪険にしないであげてくださいね!

 バタフライガーデンの近くも通りかかったので少し観察してみました。すると足元の草の茎に白っぽい塊が見えました。「オオカマキリ」の卵鞘〔らんしょう(卵の入ったケース状のもの)〕です。

 

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 オオカマキリ(左:卵鞘/右:成虫メス個体)

 

 卵鞘が白っぽいということは、産卵してからあまり時間が立っていない証拠です。案の定卵鞘から30cmくらい離れたところにおそらく産卵直後と思われるメスのオオカマキリがじっとしていました。寒い中での産卵、お疲れさまでした。また来年、カマキリの赤ちゃんたちを見られるのが楽しみです。

 最後に、もう一度大池を観察してから撤収しようと思い再度足を運ぶと、カモより大きな白い鳥がいました。「カンムリカイツブリ」です。

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悠々と泳ぐカンムリカイツブリ

 

 昨年度もブログに登場した冬鳥ですが、今年も新横浜公園にやってきてくれたようです!オオバンやカモ類に混じっていても、眩しいくらいの白色なのでよく目立ちますね。(写真も日の加減で顔がピンボケしてしまいました・・・。)

 これから更に寒くなり、観察できる生きものの様子も変わっていきます。防寒、新型コロナやインフルエンザ対策等、十分にお気をつけてお過ごしください!

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