スタッフブログ|日産スタジアム
競技場ひかり物語
2003/01/07
 
サッカー試合の照明

   みなさん、こんにちは!
   昨年はたくさんの人たちにワールドカップを始めトヨタカップやスーパー陸上など、テレビを通してそして実際に足を運び、横浜国際総合競技場を見ていただきありがとうございました。
   今回から、普段ではなかなか見られない舞台の裏側をご紹介したいと思います。
最初に、『照明のおはなし』。
   ナイターの試合で欠かすことのできない照明ですが、試合用に使われている照明(ランプ)ってどんなもの?どうやって交換しているの?という質問をよく受けます。そこで、このホームページを見てくれた皆さんだけにこっそり教えちゃいます。
   ナイター試合に使用されるランプは下の写真のようなものです。大きさはランプの下に見える人間の手と比較するとわかると思いますが、だいたい一升ビンと同じです。これ1つで街路用水銀灯の5倍の明るさです。

ランプ
全点灯

   このランプが競技場に全部で824個あるんですよ。明るくなるわけですね。でも、1回の試合に全部のランプを点灯することはありません。824個のうち、サッカーの試合で440個、陸上で384個と使い分けているんですよ。というのは、サッカーは主に芝生がメインで、陸上はトラックがメインですよね。競技場に来てくれる選手や観客の皆さんが常に最高の舞台でプレーし、そして観戦してもらうため、このようなシステムができているんですね。
   でも、過去に1回だけ全部のランプを皆さんの前で点灯したことがあるんですよ。いつですって?それは、ワールドカップ決勝戦の表彰式でした。覚えていますか?あの270万羽以上の折鶴が空から降ってきた場面。恐らく世界中が感動に包まれた瞬間でした。このとき競技場の全てのランプを点灯し、最高の演出に花を添えました。
   最後に、こんな高いところにあるランプをどうやって交換しているのか、教えちゃいます。まず、2F観客スタンドの最上階まで登ると、さらに上に登る階段とはしごがあり、屋根下まで上がれます。そこにはキャットウォークと呼ばれる、点検用の通路が屋根下伝いにぐるーっと1周通っています。ランプはそこで交換するんです。
   しかし、それだけでは終わりません。皆さんの家のリビングにある照明器具だってランプ交換の後、ランプカバーも掃除しますよね。せっかく新しいランプに替えてもカバーが汚れていては、台無しです。それは競技場でも同じこと。でも、この作業はとっても大変なのです。それは、照明器具の裏側に廻り込まなければならないからです。もちろん照明器具の下は何にもありません。30m下の観客席が待っているだけです。そこで、作業する人は落ちないように丈夫なひもで体を手摺りに縛りつけ、決死の覚悟で掃除をしているわけです。といっても、当の本人は慣れたもので、1日に数十回もこのような作業をこなしているのです。

キャットウォーク(点検用通路)
作業風景

   どうです?ちょっとは、隠れた側面に興味を持って頂けましたでしょうか?これからも、どんどん舞台裏に興味を持って頂けるよう、話題を提供していきますので、よろしくお願いします。