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芝生観察日記(11)
2008/08/16
 

 みなさん、こんにちは。
 「芝生観察日記」の第十一話です。
 7月中旬から8月初旬にかけて、芝生の葉先に綿毛のような白い物(写真1・2)が目立つようになりました。これって何だか解りますか?
 これは芝生の根や茎を食べてしまう蛾類の卵を尾毛で覆った卵塊と呼ばれるものです。大きさは米粒大から大豆大の物まで色々ですが、この卵塊の中には多くの卵が守られており、卵塊の大きさは産み付ける蛾の種類によって異なります。芝生の根や茎を食害する蛾の仲間は、シバツトガ(写真3)、スジキリヨトウ(写真4)、タマナヤガの主に3種類です。
写真1     写真2     写真3
         写真4      写真5

 これらの蛾の仲間は、幼虫期に芝生の根や茎を一晩でめちゃくちゃ食べ荒らします。しかし、成虫になると害はありません。食害(写真5)された芝生は、枯れて地際に細かく砕かれた芝カスが残るので赤茶色に目立ちます。また、これらは4月から10月にかけて年に3回程発生しますが、近年は天候が不順なため4回発生する年もあり、観察を怠り、発見が遅れるとフィールドが丸坊主になってしまうこともあるので日々の観察により早期発見に努めることが重要です。
 芝生を荒らす害虫には、蛾類の他にコガネムシやゾウムシ、カメムシなどの仲間がおり、それぞれ発生時季や食害の症状が違うのでグリーンキーパーの観察力が問われると同時に腕の見せどころでもあります。
 今回は蛾の仲間についてお話しましたが、別の害虫や病気を発見したらまた報告しますので、お楽しみに!!

前回の芝生観察日記(10)はこちらをご覧下さい