ページの先頭へ

NSAA(陸上教室)

NSAA

忘れちゃいけない!クーリングダウン
みなさんこんにちは!
今まで5回に渡ってお送りしてまいりました、ランニングファン応援プロジェクト、いかがでしたでしょうか?

ランニングのメンタルサポートQ&A
シューズの正しい選び方
食べて走って、また食べる!!
what’s ウォーミングアップ
Music with Running♪

どれも走ることに参考になる話ばかりでしたね!
より速く楽しく美しく元気に健康に、など、走る目的は様々であっても、スポーツである以上、基礎知識はあって損しません
あとはみなさんが走る中で経験を深め、良い形に生かしていって頂ければこの上ない限りです。

と言いたいところですが…。
走り終わった後にやらなければいけないことをすっかり忘れておりました!
そう、走り終わった後にはクーリングダウンをしなければなりません。

でもやっぱりいらっしゃると思います。
クーリングダウンとは何ぞや…。とおっしゃる方。

簡単に言えば、激しい運動をしたあと、心身を平静に戻すために行う軽い運動のことです。
知っていて絶対損しないランニング情報、どうぞご覧ください!

NSAAティーチングスタッフ 三浦 学


激しい運動の直後血流量が非常に多くなっています。これは、運動中に筋肉がリズミカルに収縮することで身体中の骨格筋へ血液を送り届ける『ミルキングアクション』と呼ばれる作用が働いているためです。クーリングダウンによって運動を徐々に減らしていくことで、ミルキングアクションを活用にしていた血流を徐々に通常の心臓の拍動に移行させていくことが出来ます。

激しい運動後に軽い運動(クーリングダウン)を行うと、何もしない時と比較して乳酸除去スピードが速くなるという研究結果が出ております。乳酸とは筋肉中に溜まる疲労物質のことで、乳酸除去のためには血流が大きく関係しております。何もしないよりも、クーリングダウンのような軽い運動によって血流を促すことで乳酸除去に効果があります。

運動の直後、筋肉は緊張しています。クーリングダウンは、メインの激しい運動よりも軽い運動のため、筋肉の緊張を取る(リラックスさせる)働きがあります。筋肉の緊張が筋肉痛の原因でもあることから、クーリングダウンは筋肉痛の予防になります(100%予防出来るわけではありません)。

激しい運動中は交感神経が働き、アドレナリンが活発に分泌されています。クーリングダウンのような軽い運動に移行することで、同じ運動であっても神経はそれに反応し、交感神経の働きがだんだん収まります。このことで、心理的な緊張がほぐれ、運動直後の心地よい状態へ導く作用があります。



激しい運動の直後、急に運動をやめてしまうと、吐き気、めまい、立ちくらみと言った症状を引き起こす可能性があります。これは、ミルキングアクションがなくなってしまいスムーズに血流が心臓まで戻らなくなってしまうことで、身体の抹消に血液が溜まることが原因です。最悪、心臓への疾患も考えられます。したがって、急に運動をやめることは危険なのです。

クーリングダウンを怠ると、乳酸が体内に蓄積します。これが、翌日に疲労感を感じてしまったりする原因でもあり、これが継続してしまうと慢性疲労になってしまいます。疲労が溜まっている状態で練習を継続しても、満足な練習効果を得ることが出来ないどころか、逆に健康面にも悪い影響が出かねません。健康のためのはずが、かえって悪いことになってしまうので、疲労の蓄積は避けましょう。

運動直後の緊張した筋肉をそのまま放置してしまうと、筋肉痛が発生してしまいます。筋肉の緊張が筋肉痛の原因というのは先にも書かせて頂きましたが、激しい運動は、すなわち激しい筋肉の収縮の繰り返しであるため筋肉に損傷が起こる場合もあります。それが痛みの原因の1つでもあります。クーリングダウンによって、損傷の回復を早めることはできますが、怠ってしまうと筋肉痛が発生し、長引いてしまいます。

交感神経をゆっくり休めるためのクーリングダウンを怠ると、気持ちだけやる気満々の状態が継続してしまい、他のことに集中できなかったりします。また、これが原因でなかなか心身共に休まらず、運動翌日の気分が晴れなかったりもします。その結果、ランニングが嫌になってしまったり、長続きしなかったりしてしまいます。オンとオフの切り替えをするためにもクーリングダウンは欠かせないのです。


あくまでこれは基本的な順番を示した一例ですので、時間、内容などは皆様の状態に合わせて行ってください。

ゆっくりと時間をかけ呼吸を安定させながら行います。サイドステップや後ろ向き走なども取り入れると効果的です。

使った筋肉をゆっくりと伸ばし、元の状態に戻してあげるような気持ちで、リラックスして行います。身体が冷えた状態で行うと筋肉を傷つけ、かえってケガの原因になりかねませんので、ジョギングの直後やお風呂上がりなどに行いましょう。


激しい運動で上がった心拍数を、ウォーミングアップにかけた時間を要して落としていくことが一つの目安になります。特にこれといった専門的な動きがあるわけではありませんが、基本的には徐々に運動の強度を落としていくという意識で行いましょう。



ランニングファン応援プロジェクト、第6弾、いかがでしたでしょうか。
ランニングは、いつでもどこでも誰でも簡単に出来る健康スポーツであり、このようなプロジェクトだけで語りつくすことは出来ません。
だからといって、抑えるべきところを疎かにしてしまうと、ランニングの持つ本来の効果を獲得し損ねたり、不健康な方向へ進んでしまったりと、落とし穴が多いのも事実です。

誰もが簡単に出来るからこそ、正しい方法で行いたいですよね。
NSAAにはそんなヒントがたくさんあります。
そして、そのヒントをもとに答えを作り出すのは、そう、皆さんのやる気、勇気、元気です!
よりよい生活を送るためにも、さぁ皆さん、一緒に走りだしましょう♪