新横浜公園生きもの観察日記277

観察日 : 2017年 11月27日(月)

場 所 : 減勢池

生きもの: ミコアイサ、オオバン、オオタカ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

  

 この日は、鶴見川と新横浜公園をまたいで架かる亀の甲橋から観察を始めました。橋から上空を見渡すとさっそく飛翔するオオタカを発見し、幸先のよいスタートです!公園におり、減勢池を中心に見ていきますが、カモがたくさん水面に浮いている様子はなく静か。先ほどのオオタカの影響や、10月下旬までは餌になるヒシやウキクサなどの水草が豊富にありましたが、10月23日の越流・排水や枯れのため、餌が少なくなり、大分落ち着いてしまったのかもしれません。

 そんな中、水に潜って獲物をとらえるミコアイサがいました。冬鳥として渡来し、主に魚や甲殻類などを食べます。この場所ではあまり見られる種ではありませんが、昨年に続いてやってきてくれました(生きもの観察日記255)。

 他にカモは、ホシハジロ、コガモ、ハシビロガモ、オカヨシガモ、カルガモくらいでしたが、この鳥はオオタカがいてもなんのそのという感じ、いつも通りのオオバンです。池の対岸に上陸して、主にアシを食べていました。

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ミコアイサのメス(カモ科)        

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アシの葉を食べるオオバン

  減勢池沿いを歩き、バタフライガーデンの方へ行くと野鳥観察している方が上の方を見ているので、何がいるんだろうとその先を見るとオオタカでした。成鳥は、目の上の白い眉斑と胸、腹部の細い横斑が特徴。ここでは、秋から春にかけて成長や幼鳥をしばしば確認することができ、捕獲されたと思われるコサギやハトなどもたまに見かけます。

 今回はオオタカに始まり、オオタカに終わった観察でした。久しぶりに近場で観察、撮影することができ大満足です。

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オオタカ(タカ科)

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 続いては、10月に新横浜公園をバードウォッチャーで賑わせていた野鳥を紹介します。メジロガモ(雄)です。国内では、1959年に千葉県で記録があるのみでしたが、1990年以降、福岡県などで徐々に観察されるようになり、現在は稀な冬鳥とされています。

 渡来したのはオスで、10月上旬に飛来したと思われ、23日の鶴見川多目的遊水地への流入をきっかけに移動したようです。私は初めて見る野鳥で、渋めな色合いなので分かるかな~と少々不安でしたが、白い虹彩(人でいう白目の部分)のお陰ですぐに分かりました。越流がなければもう少し長くいてくれたかもしれませんが、その反面、鶴見川多目的遊水地を知っていただく機会にもなったかと思います。

※メジロガモについての記載は、「決定版 日本のカモ 識別図鑑」を参考にしました。

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メジロガモ(カモ科)/ 10月8日撮影

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