新横浜公園生きもの観察日記297

観察日 : 2018年 10月18日(木)

場 所 : スケボー広場周辺、園内水路付近

生きもの: キマダラカメムシ、オオカマキリ、コカマキリ、ツマグロヒョウモン

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 肌寒い日が続き、徐々に冬が近づいてきているのをひしひしと感じます。今日も肌寒く、曇り空のためか、元気に飛び回っている昆虫は見られませんでしたが、日が当たっているところで体を温めている昆虫たちがいました。今回は、その一部を種類の見分け方とともにご紹介していきたいと思います。

 スタジアムから公園に続く階段を降りてすぐのところにメタセコイアの木が立ち並んでいます。その根元近くにグレーに赤い点々模様のこの昆虫がいました。

DSCF3674_キマダラ幼虫.jpgキマダラカメムシ(幼虫) 

DSCF3690_キマダラ成虫.jpgキマダラカメムシ(成虫)

 温暖化の影響なのか、最近関東地方でも見られるようになってきたカメムシの仲間で、「キマダラカメムシ」といいます。新横浜公園がある港北区をはじめ、鶴見区や川崎市でも見かける機会が増えています。幼虫は地味な色合いですが、成虫になるとその名の通り黄色いまだら模様になります。他にも似たような色彩を持つカメムシは存在しますが、この辺りで見かけるのは、ほとんどがキマダラカメムシです。ちなみに、このキマダラカメムシも危険を感じると臭いにおいを出しますので、あまり刺激を与えるのはお勧めしません。見かけてもそっとしておいてあげるのが虫にも人にも平和的かと思います。

 園内を歩いているうちに、わずかではありますが日が出てきました。草の茂っているあたりに目を向けてみると、中型のチョウが花の蜜を吸いに来ていました。

DSCF3705_ツマグロ♀.jpgセイタカアワダチソウで吸蜜するツマグロヒョウモン(♀)

 メスの(はね)の先端が黒いことから「端黒豹紋(ツマグロヒョウモン)」という名前が付けられたタテハチョウの仲間です。オスは翅の先端もオレンジ色です。幼虫は、パンジーやビオラといったスミレの仲間を食草とするため、ガーデニングをされる方からは嫌われてしまっています。本州には他に似たような色彩のチョウはいないので、慣れてくると飛んでいる姿でも見分けがつくくらい特徴的で美しいチョウです。

 ツマグロヒョウモンが吸蜜をしているすぐそばでは、2種類のカマキリが日向ぼっこをしていました。

DSCF3696_オオカマ.jpgオオカマキリ

DSCF3698_コカマ.jpgコカマキリ

  「オオカマキリ」は、日本に生息するカマキリ類では最大クラスの種類で、後翅に赤紫色の飛沫模様があるのが特徴です。反対にコカマキリは、この周辺で見られるカマキリ類の中では最小クラスのかわいいカマキリで、前脚に黒と桃色の腕輪模様があるのが特徴です。どちらの種類も緑系と茶色系の体色のものが存在しますが、これらの特徴が分かればなんという種類かすぐに判別できます。

 これから、どんどん気温が下がり、冬がやってきます。体調には充分に気を付け、フィールドワークをお楽しみください!

ツマグロヒョウモンほか場所.jpg