新横浜公園生きもの観察日記373

観察日 : 2022年 7月25日(月)

場 所 : 大池付近、水路付近

生きもの: ハシボソガラス、モズ、タイワンウチワヤンマ、ヒメアカタテハ、ゴマダラチョウ、コムラサキ、コガタスズメバチ、ハナムグリの仲間

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 

 「チーーー」、「ジリジリジリ...」 公園内に響くニイニイゼミとアブラゼミの鳴き声。時折、ミンミンゼミの声も聞こえてきます。ひと月前は、ヤブキリの声が草むらからよく聞こえていましたが、虫の声もすっかり夏になりました。

 クルミの木の枝にとまる黒い鳥。カラスだろうと思いましたが、頭の上がとがっています。こんな鳥がいたかと思いながら、静かに近くの木の幹に隠れ、カメラのシャッターを切りました。

IMG_5219.jpg新横浜公園で初確認の鳥か?!

 少しの間様子をうかがっていると、頭が動いたのですかさずシャッター。とがった頭に見えたのは嘴(くちばし)で、ハシボソガラスでした。この日も30℃を超える暑さ。息を切らしたように呼吸をしていましたが、体温調節の1つとして、嘴を開けて浅く早い呼吸を行い、体温を下げるようです。

IMG_5222.jpgハシボソガラスでした。

 大池に出ると、タイワンウチワヤンマが水辺に生えるサンカクイにとまっていました。ウチワヤンマによく似ていますが、腹部の先の方のうちわ状の膨らみが小さく黒色です。近くを飛ぶコシアキトンボと縄張りを争ってはサンカクイにとまっていました。

IMG_5244.jpgタイワンウチワヤンマ

 大池沿いを観察していきますが、アオサギとハシボソガラス、タイワンウチワヤンマ、コシアキトンボといったような状況。この炎天下のためか、なかなか生きものに出会えません。バタフライガーデンから折り返して、水路を中心に観察していきました。水路には、盆花とも呼ばれているミソハギが、今年もたくさん咲いていました。ヒメアカタテハが吸蜜に訪れていました。

IMG_5401.jpgミソハギとヒメアカタテハ

 修景池の近くまで来たとき、「キーーキィキィキィ」という大きな声。聞こえてきた辺りを丹念に探ると、樹冠の中にモズの幼鳥がいました。5分ほど観察していましたが、最初のハシボソガラス同様、ずっと嘴(くちばし)が開きっぱなしでした。なんとか暑い夏を乗り切ってほしいです。みなさんも熱中症には十分お気を付けください。

IMG_5524.jpg木陰で休むモズの幼鳥

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 夏と言えば、カブトムシやクワガタムシなど樹液に集まる昆虫ですね。今回、クヌギが樹液を出している場所を見つけ、ゴマダラチョウ、コムラサキ、ハナムグリの仲間(シロテンハナムグリ?)、コガタスズメバチが集まっていました。おそらくスズメバチが樹皮を削って樹液が浸み出したのかと思われます。樹木は樹皮を回復させようとしますので、傷つける生きものがいないと樹液はしだいに止まっていきます。この場所もいつまで出ているか分かりません。みなさんもぜひ樹液の出ている場所を探して、集まっている昆虫を観察してみてください。

 

・樹液を出させようと人為的に樹皮を傷つけることはしないようにしましょう。

・公園内で採集した生きものは、放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

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クヌギの樹液に集まる昆虫

(ゴマダラチョウ、コムラサキ、コガタスズメバチ、シロテンハナムグリ?)

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