鶴見川多目的遊水地として、水と緑が豊かな新横浜公園には、多種多様な生きものが生息しています。生きものを好きになり、理解を深めていただく機会として、「新横浜公園の生きもの博士になろう!2025」(協賛:株式会社春秋商事)を開催しました。
第1回は、初夏に見られる水辺の生きもの観察とEボート体験です。Eボート体験は、昨年初めて実施し、とても好評だったため今年も開催しました。今回はどんな生きものが観察できるでしょうか。楽しみですね。講師は、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。
第3レストハウスを出発して大池へ。水辺に生きものがいないか見回すと、河川カメラの上にハヤブサの仲間のチョウゲンボウがとまっていました。肉眼だったので小さかったですが、幸先よいスタートです。
越流堤の河川カメラにチョウゲンボウを発見!
オスとメスの色合いの違いを紹介
池沿いに歩き、亀の甲橋下の突堤に到着しました。ここが今回の活動拠点になります。池に生息している魚などを観察するのは全5回の観察会中、今回だけのため、前日に小型の定置網を仕掛けておきました。少しでも生きものが入るよう、追い込みをかけて引き上げます。
たくさん入るよう祈りながら追い込み
何が入っているかな?
モツゴやブルーギル、テナガエビ、クサガメが捕れていました!
モツゴ
立派なテナガエビ
クサガメ
じっくり生きものを見たいところですが、ここから3グループに分かれて、水辺安全の話、Eボート、生きもの観察を交代で体験していきます。
【水辺安全の話】
これから夏の時期、川や海などで遊ぶのはとても楽しいですが、事故も多くなります。水辺にはどのような危険が潜んでいるのか、シートを使って危険予知トレーニングにチャレンジ。溺れている人を救助するときは、自分自身の命を守ることも大事であるため、リスクの低い方法から選択することなど話を聞きました。最後に、ライフジャケットを着てパドルの漕ぎ方を練習しました。
水辺にはどんな危険が隠れているかな?
スローロープ投げにも挑戦!
パドルの使い方 ボート体験準備万端!
【Eボート体験】
いよいよEボートに乗船です。イチ、ニー、イチ、ニーと声に合わせてパドルを漕ぎます。多少の風があっても問題なくスピードが出るものですね。排水門付近に来ると、コンクリートブロックの上にアオサギがいました。島を周って投てき場の入り江に入ってから越流堤の方へ。そこでは、チョウゲンボウに再会。朝と同じ個体かもしれません。水面の上では、コシアキトンボがよく飛んでいました。春に渡来し、ギョギョシ、ギョギョシと鳴いていたオオヨシキリの声は聞かれず。無事に繁殖しているといいですね。普段は見れない池からの景色をみなさん楽しまれていました。
Eボート出航!
ちょっと休憩 水面からの景色を楽しみました
【水辺の生きもの観察】
まずは投網です。岸辺からスイングして投げると、円く広がって着水。どんな魚が捕まっているでしょう。網を手繰っていくと、モツゴやブルーギルがとれました。場所を変えて、水面が木陰になっている所で2回目の挑戦。投網をうち、網を引くと、ブルブルっと大きな魚の手ごたえ。引き上げるとブラックバスが入っていました。最後のグループでは、声援を受けて投網をうつと、なんとオイカワが5匹捕れました。
次にプランクトンネットを使って小さな生きものを採集します。ネットを投げて引いてくると、網の下についているビンに粒々したものがたくさん!目を凝らすとピコピコと動いています。ケンミジンコの仲間やゾウミジンコの仲間が多いようです。最後は、定置網でとれた生きものも含めて解説し、自由に観察してもらいました。
投網の様子
オオクチバス ※特定外来生物
オイカワ
ミジンコがいっぱい
観察ケースに入れて捕れた生きものを紹介
観察会が終了して間もなく、予報通りの雨。なんとか雨がもってくれてホッとしました。Eボート体験と池の生きものから、新横浜公園の初夏の自然を堪能していただけたのではないかと思います。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
次回の生きもの観察会は、8月2日(土)に「夏の夜の昆虫観察会」を開催します。皆様のご参加をお待ちしています。
※なお、池の生きもの採集は、観察会のために特別に行いました。普段は採集、釣りともに禁止になっており、柵内に入ることはできません。
ご来園のみなさまも、公園内でつかまえた昆虫等の生きものは、放してあげるなどの配慮をお願いします。