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日産スタジアムのスポーツターフ

SPORTS TURF

アンダーヒーティング

 芝生の育成には日照が欠かせません。日産スタジアムはフィールドの全周をスタンドと大きな屋根で覆われているため、冬季などは屋根による日照阻害が生じます。冬至の時季には場所によって日照時間がゼロとなり、芝生の育成に大きな影響を及ぼします。

 また、隣接する鶴見川の遊水地機能を兼ね備えた新横浜公園の中にある日産スタジアムは、約1,000本の柱で支えられた高床式の人工地盤上が、トラックや芝生フィールドとなっています。そのため、スタジアムフィールドの芝生は地表面と地盤下、両方から外気温による影響を受ける性状となっており、日照阻害に加えて気温による影響を大きく受ける特殊な環境下での育成を余儀なくされています。

人工地盤構造説明資料(画像をクリックするとPDFで確認できます)

 こうした特殊な環境下でも芝生を良好に育てるために、地温自動制御システム「通称:フィールドアンダーヒーティング(ソルコン)」が導入されました。このシステムは、芝生の育成において大きな要因となるフィールドの地下5㎝付近の地温をコントロールし、日照時間が得られない場所の地温を上げる(補正する)ことで芝生の生育を活性化させるというシステムです。

 地温を上げるために、芝生下の地中30cmの場所に管(架橋ポリエチレン管)を這わせています。その管に温水を通水することで、地温が上がる仕組みになっています。

 日産スタジアムの屋根の影響で場所により日照時間が異なり、芝生の生育が変わってしまうため、グラウンドを12ブロックにエリア分けされて、管が埋設されています。その管は全長26kmにも及びます。コンピューター解析により気温、日照などの変化を計測、予測しながら、配管への温水を通水制御し、芝生の育成に適した地温管理ができるように設計されています。また、地温制御は、ブロック毎に温度を設定できるようにすることで、エリアによる生育差を少なくすることができるようになっています。

地温自動制御システム概要説明資料(画像をクリックするとPDFで確認できます)