「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の4回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しています。
今回は、昨年植えて順調に増えているハマカンゾウを株分けして植えていきます。また、秋の野草を使って、ハーバリウム作りをします。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)
ハチに出会ったら刺激をしないようにと注意を受けて、ハマカンゾウを植える場所に歩いて向かいます。
npoTRネット阿部さんと参加者のみなさんの間に植わっている葉っぱがハマカンゾウです。これらの両サイドに広げて植えていきます。

ハマカンゾウを植える場所
npoTRネットのみなさんが育った大きな株を掘り起こして、用意をしてくれています。参加者のみなさんで大きな株を水の中でほぐして一株ごとに分けていきます。


20センチくらい間隔を空けて植えます

土をかぶせて、しっかりと押し固めます
お水をあげて

株植え完了です!
みなさんお疲れさまでした。ぜひハマカンゾウの成長のようすを見に新横浜公園に足を運んでくださいね。花はユリのような形でオレンジ色なので目立ってとても綺麗です。花期は夏で、8月中旬あたりが最盛期です。来年どれくらいの花を咲かせてくれるか楽しみですね。
今年の8月18日の様子

開花数は34でした
株植えが終わると近くのしだれ柳のてっぺんの方から「キィーキィーキィー」と鳥の高くて大きい鳴き声が聞こえてきました。
「モズ」です。秋にこのような「モズの高鳴き」を聞きます。また、「早贄(はやにえ)」という木の枝などに捕らえた虫などを刺しておく習性があります。

モズ
鳥の観察をしながら大池沿いを歩いて戻り、次はハーバリウム作りをしましょう。
ミシシッピアカミミガメとコガモ
npoTRネット阿部さんからハーバリウムの材料と作り方を教えてもらいました。新横浜公園内のニラやセイヨウタンポポなどを集めてドライフラワー専用の乾燥剤を使ってドライフラワーにして準備してくれています。野草に水分が残っているとカビてしまったりするので、しっかり乾燥させておく必要があります。ビンに入れるオイルは植物の見栄えを保ち、ある程度長く楽しむためには、ハーバリウム専用のものを使うのが良いようです。

npoTRネット阿部さん

ハーバリウムに使う新横浜公園の野草


どんぐりや色とりどりのコスモスも入れてみよう
ビンの中に野草を配置するのに時間がかかりそうです。

どこに置こうかな

オイルをそぉっと注ぎいれて

完成です!

記念撮影
最後のまとめのお話では、鶴見川流域でノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ハマカンゾウの大群落を育成していくnpoTRネットさんの活動を教えてもらいました。カンゾウの花は美しく、グランドカバーにもなります。さらに鶴見川の川辺に多いネズミホソムギなど花粉症を引き起こす外来種の抑制にもなります。そして、これらカンゾウの仲間は、若葉を天ぷらにしたり、つぼみをフライやピクルス、炒め物にしたりなど食べることができるのも大きな魅力ですね。
10月4日、かかしに見守られた田んぼの稲刈り体験と、隣接する花壇の花植えを「日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会」が主管して、公募の14家族で行いました。


部会の皆さんが5月の田植えから、水の管理や水草取りのメンテナンスを手掛けてきて稲が大きく実りました。稲刈り鎌の使い方は初めての方も多く、ボランティアさんが稲の刈り方を丁寧にわかりやすく説明しました。


はじめは、ぎこちなかった鎌の扱いもだんだん上手に稲を刈ることができるようになりました。子どもたちは稲刈りの最中、バッタやカマキリ、カエルを見つけて泥遊びも楽しみました。




子どもたちに代わって、お父さん、お母さんも汗びっしょり無心で稲刈り体験に参加、翌日の筋肉痛が心配です。
田んぼに隣接する花壇では、スコップで土を掘る作業をボランティアさんが丁寧に指導して、「なでしこ」「パンジー」、春の花の「チューリップの球根」を植えました。


今回、皆さんが収穫した稲は田んぼのフェンスに、はざ掛けして約10日から2週間ほど天日干ししてからボランティアさん有志の方が脱穀作業を行います。
今年は鶴見川の越流の影響もなく、天候にも恵まれたので収穫量がどのくらいになるか楽しみです。

「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の3回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しています。
今回は、限られた時間内で何種類見つけられるか、虫と草花の生きもの探しをチャレンジする「バイオブリッツ」と大池の水面を覆うヒシを地引網のように引っ張り、収穫を行います。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)
生きもの探しにあたって、虫取り網を振って虫を取ろうとする動きはハチを刺激するので気をつけましょう。ハチがいたら刺激をしないように静かに後ずさりしましょうと教えてもらいました。今日はあいにくの霧雨ですが、おかげでハチと出会う心配はなさそうです。
バイオブリッツをするエリアに行く途中で出会った鳥たちについても観察しました。写真のほかに羽が鎌のような形が特徴のヒメアマツバメやカモ、ダイサギもいました。

アオサギ
制限時間20分でバイオブリッツ開始です。霧雨続くなか、みなさん元気に生きもの探しをしています。草むらのなかの虫を見つけるのは難しいかもしれませんが、逃げるのはにぶくて捕まえやすいかもしれませんね。


少し雨が強くなったので制限時間を切り上げて18分で終了しました。集めた生きものについて、草花については阿部さんから、虫については横山さんから名前と特徴を教えてもらいました。
npoTRネット阿部さんから草花の説明
ヒロハホウキギク、ヨモギなど
npoTRネット横山さんから虫の説明
クビキリギス
エンマコオロギ
アオモンイトトンボ
さて、何種類の生きものを見つけることができたでしょうか。結果は、「虫22種類、草花17種類の計39種類」でした!昨年の数には及びませんでしたが、時間が短かったことと天候を考えるとたくさん見つけることができたと思います。


次に大池にびっしり生えている水草のヒシの収穫をしましょう。その実の形がひしげていることが名前の由来になっているようです。ひな祭りに飾られている菱餅は、子どもが健やかに育つことを願って栄養価の高いヒシの実が使われたと言われています。菱餅が菱形になったのは、このヒシの実の形を模したり、心臓の形を表したりなど諸説あるようです。また、ヒシの実には子孫繁栄の力もあるとされ、ご覧の通りの繁殖力の強さからきているのではないかと想像します。
ヒシの根にロープをくくりつけて
みんなでヒシを引っ張り上げます
ヒシの実は茎をポキっと折って収穫します
ヒシの実
ヒシと一緒にモクズガニが引き上げられました
ヒシをたくさん収穫できました。お部屋に戻って、水辺の安全活動について学びましょう。
おぼれている人をたすける時にどれが最も危ない方法でしょうか

浮くものを投げる場合には、空のペットボトルを利用することができます。リュックの中には2リットルの空のペットボトルを4本入れていて、約80キロのものを浮かせることができます。ライフジャケットを着ているほうがより安全です。水辺ではライフジャケットを着るようにしましょう。
今回の観察会で捕まえた生きものたちは、観察終了後、公園内に戻しています。ご来園のみなさまも公園内で捕まえた生きものは放してあげるなどの配慮をお願いします。
芝生観察日記の第百八話です。
令和二年10月 5日(月)
<~ Road to 2019&2020 ~>
寒地型芝(ペレニアルライグラス)の種が発芽しました。
写真は昨日撮ったものですが、この感じだと3日(土)には既に発芽していたようです。
予想通り播種して4日後の発芽ということで、例年並みとなりました。
黄色い線で囲んだ中に針のようにピンと立った、人間に例えるとまだ赤ちゃんの状態なので我々もうかつにピッチ内に入れません。写真もピッチ外周から観察して撮りました。
このタイミングで踏んでしまうと新芽が潰れて枯れたり、生育に遅れが生じる恐れがあるからです。
冬芝の種を蒔く9月、10月はスポーツの秋と言われます。この季節、毎年多くの利用希望が集中します。ただ、芝生として使えるようになるには、発芽してから約2週間、播種からは凡そ3週間の養生期間を必要としますが、実際は3週間確保できない年もあります。中には3週間ですら養生期間を確保できないスタジアムがあると聞きますが、正直驚きです。プロが使うピッチの芝です。使う側の理解も必要です。
我々の理想を言わせていただければ養生期間は最低4週間必要です。目安となるのは葉の枚数です。今は幼少芽に過ぎませんが、これが茎葉に成長して、その枚数が3枚になった段階で周りの暖地型芝と共存することでサッカーを始めとした利用に耐えられるようになると考えています。
もちろん、養生期間が長ければ長いほど丈夫な芝生に成長するのですが、Jリーグやその他の利用希望に対応しなければならないので理想通りには行きません。
日本は、欧米に比べて天然芝のグラウンドが多くありません。どうしても限られた場所に利用が集中するため管理する側の声が、利用する側の声に押されてしまうこともしばしばあります。
しかし、相手は生きものです。四季の変化が著しい日本では人間が思った通りの生育をしてくれない年もあります。
スポーツターフは使うための芝生なので、使って傷むのは当然です。ただ今は未成年です。大人の芝生になるまでは、少し時間をください。責任を持って育ててあげたいと思います。

観察日 : 2020年 9月27日(日)
場 所 : 大池
生きもの: コガモ、ハシビロガモ、オオバン、チョウゲンボウ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
9月の最終日曜日。午前中は曇っていましたが、お昼を過ぎてから晴れ始め、秋晴れを感じさせる天気になりました。公園内は、ランナーやスケートボード、サッカー、バスケットなどスポーツを楽しむ人で溢れていました。
9月下旬になり、すでに冬鳥が飛来している時期に入っているため、大池のカモをターゲットに投擲場周りから観察をスタートしました。排水門の方を目視するとコンクリートブロックの上に点々と見える生きものの集団あり。コガモの群れが休息しているのかと双眼鏡で見てみると、ミシシッピアカミミガメの甲羅干しでした。久しぶりの晴れをカメたちも待ち望んでいたのでしょう。修景池付近の大池に来ると、カルガモのそばに明らかに小さなカモが4羽、双眼鏡で確認すると今度はコガモでした。(カルガモの子ではなく、種の名前です)今シーズン初確認です。カルガモと比べると大きさの違いが分かりやすいですね。コガモの集団の近くには、ハシビロガモ1羽とオオバン3羽がいました。両種ともコガモ同様に冬期の新横浜公園でよく見られる鳥です。

コガモとカルガモ(右手前)

ハシビロガモ 名前の通り嘴(くちばし)が幅広くわかりやすいですね。

黒い体に白い額のオオバン 今年もやってきました。
カモやオオバンを観察してまもなく、越流堤の水位計の上にチョウゲンボウを見つけました。ちょうど捕らえた獲物を食べており、よく見ると大きなバッタでした。今の時期、堤防の天端(てんば)や草地でトノサマバッタが多いので、おそらくトノサマバッタかと思われます。

バッタを食べるチョウゲンボウ
暑さも落ち着き、ようやく秋らしい気温になってきました。公園内を散歩しているとサクラなどの色づいた落ち葉や「キィー キィー キィー」というモズの高鳴きなど生きものからも秋が感じられるようになってきました。ぜひ、みなさんも新横浜公園の秋を探してみてください。
