10月18日、今月4日に稲刈りした稲を、ボランティアさん有志の方が脱穀作業を行いました。

今年は鶴見川の越流の影響もなく天候にも恵まれたので、収穫量がどのくらいになるかワクワクしながら作業をしました。

①脱穀機.jpg②作業風景.jpg

 田んぼのフェンスに天日干して水分が抜けた稲を、昔ながらの足踏み脱穀機で、籾(もみ)と藁(わら)に分ける作業です。脱穀機の足踏み板を踏んで、回るローターに稲先を当てて、もみを飛ばします。

 最近では滅多に見ない手作業の脱穀作業を、公園の通行人も興味深く眺めて楽しまれていました。見学にきた子どもさんも、ボランティアさんが十分注意しながら特別に脱穀を体験しました。

③子ども体験.jpg④作業風景3.jpg

 作業の際に周りに飛び散った籾(もみ)一粒も大切に集めます。日頃、食事の時はお米一粒をお茶碗に残すことはできませんね。

 ボランティアさんは毎年12月に刈り取った稲藁でしめ縄づくりをするため、藁(わら)を整えて保管します。

⑤藁整え.jpg⑥藁整え2.jpg

 作業が終わって籾(もみ)を計量計に乗せてみると、なんと41.3㎏でした。過去最高の収穫量でした。

 5月の田植えから8月の案山子(かかし)づくり、10月の稲刈り、年末に向けてしめ縄を作り、収穫したもち米で餅つきを行い、収穫の恵みに感謝しつつ1年間の行事を楽しんできました。

⑦作業風景2.jpg⑧収穫結果.jpg

観察日 : 2020年 10月16日(金)

場 所 : 水路周辺

生きもの: コムラサキ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 ついこの間まで25℃を超えるような気温の日が続いていましたが、ここ数日は一転して冬のような寒さ。朝夕の冷え込みが厳しくなってきたので、なかなか生きものたちの動きを見るのが難しくなってきました。ですが、今日は気温が19℃まで上がり、水路沿いでチョウたちが姿を見せてくれたのでそちらをご紹介したいと思います。

 水路周辺を散策していると、5mほど先の枯れ葉に1匹の茶色っぽいチョウがとまりました。よく見てみると、「コムラサキ」のメス。ヤナギ類を食草とするタテハチョウの仲間でした。

DSCN0824_コムラサキ♀.jpg.jpg

コムラサキのメス(オスは名前の通り紫色の翅を持っています)

 

 夏場は公園内のクヌギやヤナギの樹液酒場にカブトムシやカナブンと一緒になって集まっているのをよく見かけます。写真の個体以外にも近くで5匹ほどメス個体が見られました。水路脇の泥地に給水しに来ていたものと思われます。

 コムラサキの写真を撮っていると、近くの枯れ葉の上に別のタテハチョウがとまりに来ました。コムラサキと比べると、全体的に黄色みが強く、翅の縁がギザギザしています。 正体は「キタテハ」というタテハチョウの一種でした。

DSCN0826_キタテハ.jpg

キタテハ

 

 幼虫はカナムグラというつる草をエサにするため、都市部の川沿いや公園、山地と広く見られます。もちろん、新横浜公園がある鶴見川の流域内でもよく見られます。翅の表は綺麗なオレンジ色をしていますが、裏側は枯れた木の葉そっくりの色・模様のため、翅を閉じていると見つけるのはなかなか大変です。

 今日は次から次へとチョウが飛んできました。キタテハの写真を撮っていると水路の対岸にまた別のチョウがやってきました。今度はオレンジ地に黒の斑点でヒョウ柄です。「ツマグロヒョウモン」のオスでした。こちらも、タテハチョウの仲間ですね。

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ツマグロヒョウモンのオス

 

 メスは名前の通り、翅の褄(つま)が黒くなります。オスは翅全体がヒョウ柄です。幼虫は公園や街中の花壇等にも植栽されていることの多いパンジーやビオラといったスミレ科の葉を食草とするので、キタテハと並んで都市部でも見かける機会の多いチョウの一つです。

 最後に少しだけ、大池の周りを観察してみました。すると、ここにもいました。茶色っぽいチョウ。「イチモンジセセリ」というセセリチョウの仲間です。

DSCN0832_イチモンジセセリ.jpg

イチモンジセセリ

 

 新横浜公園にはチガヤやエノコログサが多く生育しているので、幼虫がイネ科の植物を食べるイチモンジセセリにとっては暮らしやすい環境になっていて、今日ご紹介したチョウの中では見かける機会が最も多いかもしれません。

 今回の記事に載せさせていただいたチョウたちですが、色合いのせいでガと勘違いされることが多く、虫の苦手な方に驚かれている場面を過去に何回か見かけました。ですが、どれも毒などは無いのでご安心ください!

 これから徐々に冬に向けて生きものたちの様子が変わっていきます。防寒、新型コロナ対策等、十分に気を付けてお過ごしください!

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芝生観察日記 第110話

芝生観察日記の第百十話です。

令和二年10月19日(月)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 三葉目が出始めました。

 日数だけでみると例年とあまり変わりませんが、今年はとにかく生育が遅れています。

 原因は天候です。9月から秋雨前線の影響により曇りや雨の日が多かったのですが、10月に入っても変わらず、今月に入って一日5時間以上晴れ間が出た日はわずか2日しかりません。

 今年の傾向として、11月下旬並みの気温の日もあり、気温が低いのが特に影響しています。冬芝と言ってもさすがに幼少芽では厳しい環境です。

 s-三葉.jpg    

 あまり良い写真が撮れなかったので、端の方から1本抜いてみました。葉の間から小さい葉が出始めているのが分かりますか。例年3週間も経つと殆どの株が三葉を出すのですが、今年は掻き分けてようやく探しだしました。

 明後日にはJリーグが開催されます。播種後の使い始めのタイミングとして三葉という基準を設けていますが、この調子では全体が三葉で揃う前に使うことになりそうです。

 日産スタジアムでは、16日から18日まで全国中学生陸上競技大会2020が開催されました。

日産スタジアムで行われた今年度初の全国大会です。残念ながら今年は無観客での開催となりましたが、選手達にとっては開催できたことが何よりだったと思います。

 s-全景.jpg

 前回の観察日記で書いたように、この大会自体はサッカーやラグビーのように直性芝生を傷める競技はありません。特に、今大会はジャベリックスローや円盤投げといった投てき種目がなかったため、芝生のダメージは軽度でした。

 唯一、芝生に影響したのが砲丸投げです。中学生レベルでは直接砲丸が芝生に落下する選手は限られていますが、落下域に落ちた砲丸が芝生まで転がるので、それを回収する競技役員さんが同じ場所を往来するためダメージとなります。これは不可抗力なので仕方ありません。

s砲丸落下域.jpgs砲丸芝ダメージ.jpg

 今回の大会開催にあたっては、新型ウイルスの影響でJリーグの日程が過密になり、この大会による芝生への影響が懸念されたため、日本陸連さん並びに関係者の皆さんには迷惑をお掛けしましたが、ご理解とご協力をいただいた結果、影響は軽度で済みました。

 ただ、今年は先の通り芝生の生育が鈍いので回復させるため今後は特別な管理を施していく必要がありそうです。

 s-芝生接写.jpg ナイター照明に照らされた芝生は綺麗ですね。角度によっては。。。

 日照が得られず、雨で土壌が過剰な水分を含み、気温が低くて生育自体が鈍化しているので芝生自体の免疫力も低下しています。結果として夏芝に病気が出てしまいました。しかし、雨ばかりで薬剤も撒けず、打つ手なしの状態です。

 とにかく天候が安定してくれるのを待つのみです。

芝生観察日記 第109話

芝生観察日記の第百九話です。

令和二年10月12日(月)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 二葉目の葉が出始めました。

 他の芝もあるので判りづらいかもしれませんが、黄色い輪の中にV字に分かれた二枚目の葉が出始めました。播種から11日ということで平年並みの分けつ状況です。

二葉芽_加工済み.jpg

 そして播種から12日目となる昨日、初めての刈込みを自走式モアで行いました。台風14号と秋雨前線の影響で連日の雨となり、予定より2日遅れての刈込みとなりました。

 そのため、計画では刈高16ミリで刈る予定でしたが、芝生が伸びすぎたため20ミリに上げての刈込みです。 

 新緑の真っさらなピッチを最初に刈る時は毎年緊張します。真直ぐで鮮やかなゼブラ模様は職人技です。

初刈り.jpg

 まだ、この状態で使い始めるとあっという間に冬芝は衰退します。せめてもう一枚、三葉目が出るタイミングまで養生期間をもらっています。

 そこから先は、利用と管理のバランスを取り、使いながら育てていきます。

 来年の東京2020を見据えて、今年の冬芝の播種量を抑えているため、例年以上に発芽した芽を大事に育てていかなければなりません。

 今週は、全国中学生陸上競技大会2020が開催されます。

 サッカーやラグビーのような荒れ方はしませんが、砲丸投げで投げた砲丸の回収や計測で競技役員さんが同じ場所を往来することで、若い新芽が擦り切れて、獣道になってしまうのが例年の状態です。これも意外と悩ましいダメージとなるので、競技役員さんの協力なくして芝生は守れません。

 次回は、大会後の状況を報告します。

「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の4回目を開催しました。

この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しています。

今回は、昨年植えて順調に増えているハマカンゾウを株分けして植えていきます。また、秋の野草を使って、ハーバリウム作りをします。

 

講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)

ハチに出会ったら刺激をしないようにと注意を受けて、ハマカンゾウを植える場所に歩いて向かいます。

npoTRネット阿部さんと参加者のみなさんの間に植わっている葉っぱがハマカンゾウです。これらの両サイドに広げて植えていきます。

①IMG_2463.jpg

ハマカンゾウを植える場所        

 

npoTRネットのみなさんが育った大きな株を掘り起こして、用意をしてくれています。参加者のみなさんで大きな株を水の中でほぐして一株ごとに分けていきます。

 ②P1110062.jpg

③IMG_2508.jpg

20センチくらい間隔を空けて植えます

④IMG_2511.jpg

土をかぶせて、しっかりと押し固めます

 ⑤IMG_2503.jpgお水をあげて 

⑥P1110089.jpg

株植え完了です!

 

みなさんお疲れさまでした。ぜひハマカンゾウの成長のようすを見に新横浜公園に足を運んでくださいね。花はユリのような形でオレンジ色なので目立ってとても綺麗です。花期は夏で、8月中旬あたりが最盛期です。来年どれくらいの花を咲かせてくれるか楽しみですね。

 

⑦DSCN9457.jpg今年の8月18日の様子

⑧DSCN9465.jpg

開花数は34でした

 

株植えが終わると近くのしだれ柳のてっぺんの方から「キィーキィーキィー」と鳥の高くて大きい鳴き声が聞こえてきました。

「モズ」です。秋にこのような「モズの高鳴き」を聞きます。また、「早贄(はやにえ)」という木の枝などに捕らえた虫などを刺しておく習性があります。

 

⑨DSCN0775.jpg

モズ

 

鳥の観察をしながら大池沿いを歩いて戻り、次はハーバリウム作りをしましょう。

 ⑩IMG_2529.jpgミシシッピアカミミガメとコガモ

 

npoTRネット阿部さんからハーバリウムの材料と作り方を教えてもらいました。新横浜公園内のニラやセイヨウタンポポなどを集めてドライフラワー専用の乾燥剤を使ってドライフラワーにして準備してくれています。野草に水分が残っているとカビてしまったりするので、しっかり乾燥させておく必要があります。ビンに入れるオイルは植物の見栄えを保ち、ある程度長く楽しむためには、ハーバリウム専用のものを使うのが良いようです。

⑪DSC01969.jpg

npoTRネット阿部さん

⑫IMG_2530.jpg

ハーバリウムに使う新横浜公園の野草

⑬DSC01975.jpg⑭DSC01974.jpg

どんぐりや色とりどりのコスモスも入れてみよう

 

ビンの中に野草を配置するのに時間がかかりそうです。

 

⑮DSC01982.jpg

どこに置こうかな 

⑯DSC01986.jpg

オイルをそぉっと注ぎいれて 

⑰DSC01990.jpg

完成です!

 ⑱DSC01995.jpg

記念撮影

 

最後のまとめのお話では、鶴見川流域でノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ハマカンゾウの大群落を育成していくnpoTRネットさんの活動を教えてもらいました。カンゾウの花は美しく、グランドカバーにもなります。さらに鶴見川の川辺に多いネズミホソムギなど花粉症を引き起こす外来種の抑制にもなります。そして、これらカンゾウの仲間は、若葉を天ぷらにしたり、つぼみをフライやピクルス、炒め物にしたりなど食べることができるのも大きな魅力ですね。

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