観察日 : 2021年 11月26日(金)

場 所 : ドッグラン付近、大池、水路付近

植 物 : モミジバフウ、チガヤ

動 物 : コガモ、ハシビロガモ、キタテハ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 雲ひとつない澄み切った空。風は冬を感じさせる冷たさですが、風がとまり、日差しだけになると汗ばんできます。体温調節が難しい時期ですね。

 夏、緑一色だった新横浜公園の木々は、落葉樹が紅葉し、見頃を迎えていました。特にモミジバフウの濃い赤が青空に映えてとても美しいです。紅葉というと樹木に注目しますが、水路沿いの足元に生えるチガヤの葉も、赤く色づいてなかなか綺麗です。

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 モミジバフウ(フウ科)の紅葉     モミジの葉に似ているのが名前の由来

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赤く色づくチガヤの葉     花期は初夏ですが、穂が出ているものも発見

 

 大池のコガモやハシビロガモは、換羽(かんう)がすすみ、繁殖するための羽に衣替え。雄がはっきりとわかるようになっていました。ハシビロガモを観察していると、奥の水面に白っぽい鳥がポコッと浮き出てきました。潜水していたカモではなく、カイツブリの仲間のカンムリカイツブでした。今シーズンも飛来してくれて嬉しいですね。

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繁殖羽になったコガモ(写真左)とハシビロガモ(写真右)

 

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カンムリカイツブリも登場

 メドウガーデンでは、キタテハを見つけました。飛ばれる前に写真を撮ろうと、2mほど離れた場所から撮影開始。じりじりと近づきながら撮り続け、約20cmまで寄ることができました。体全体で陽ざしを浴びてあたたまっていたのでしょうね。

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日向ぼっこ中?        翅を閉じるとウッドチップに溶け込みます。

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観察日 : 2021年 10月27日(水)

場 所 : 大池周辺、修景池周辺、バタフライガーデン周辺

生きもの: キンクロハジロ、ホシハジロ、カワセミ、キジバト

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 寒い日が続いていますね。秋はどこに行ってしまったのやら・・・。今日はこれに加えて霧雨が降ったり止んだりを繰り返すご機嫌ナナメな天候で、体感は冬そのものでした。とはいえ、寒くなってきたということは冬鳥たちを観察できる時期になってきた、ということでもあります。さて、今日はどんな鳥たちを観察できるでしょうか?

 まずは大池に向かいます。すると早速見つけました!金色の目、黒と白の羽をもつカモ、「キンクロハジロ」です。

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泳いできたキンクロハジロ

左奥に写っているのはハシビロガモ

 

 毎年寒くなると新横浜公園で見られるおなじみのカモ類です。後頭部からちょこんと出た寝ぐせのような冠羽が特徴です。まだ白い羽が見えていないので、幼羽のオス個体でしょうか?羽の色や模様が成鳥と幼鳥で異なるので見分けるのがなかなか難しいです。

 キンクロハジロが泳いで去っていくのを見届け、大池沿いを移動していきます。すると別のカモが泳いできました。赤い目、白・黒・茶色の三毛カラー、「ホシハジロ」です。

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目立つ羽色のホシハジロ

 

 こちらも、キンクロハジロ同様、毎年寒くなってくると新横浜公園で見られるおなじみのカモ類ですね。三毛の羽色になるのはオスで、メスは灰色と茶色の地味な色合いをしています。全く鳥のことを知らなかった時は、ホシハジロのつがいが泳いでいたのを見て別種だと勘違いしていました。今思うと恥ずかしい限りです。

 カモたちを見ながら移動していくうちに、修景池の近くまで来ました。せっかくなので修景池の様子も観察しましょう。気温が低く太陽も出ていないので甲羅干しをするカメたちの姿はありません。雨も強くなってきました。「これじゃあ、なにもいないかなぁ・・・」とその時。岩の上に何か青緑色に光るものが!正体は「カワセミ」でした!

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辺りを見渡すカワセミ

 

 言わずと知れた大変美しい鳥で、テレビでもよく紹介されます。修景池でエサを探している様子でしたが、雨が強くなってきた事もありどこかへ飛んで行ってしまいました。

 さて、雨がかなり強くなってきたので、私も撤退です。バタフライガーデンの横を通り過ぎて出口へ向かっているときでした。目の前を「キジバト」が飛んでいきました。

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バタフライガーデンのフェンスにとまるキジバト

 

 私の記事の中でおそらく登場回数No.1の鳥だと思います。今回は雨に打たれる凛々しい表情が見られて大変満足でした。何回見ても、羽の色合いやサイズ感、動き等々、どこをとっても可愛らしい鳥だと思います。

冬はもう目前まで迫ってきています。冬鳥観察のシーズンが始まっていますが、風邪や新型コロナウィルス対策を万全にして、フィールドワークを楽しんでください!

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 5月に麻生養護学校元石川分教室の生徒さんにご協力いただき、中央広場花壇に植えた新横浜公園利用者の目を楽しませたマリーゴールドの花も、秋には役目を終えました。

 10月6日に2回目の麻生養護学校元石川分教室インターンシップ実習を受け入れました。

 実習の受入れ趣旨に賛同していただきましたサカタのタネグリーンサービス株式会社様より、花苗(パンジー)600ポットのご提供をいただき、新横浜公園中央広場10箇所の花壇の植替え及び落ち葉清掃作業を実施しました。

 今回も日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)の13名の方々にも実習のお手伝いをいただきました。

 

最初に、生徒さんから朝のご挨拶をいただき実習をスタート

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生徒さん方は真剣に花植え作業の説明に聞き入っておりました

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花苗の配置を各グループでコーディネートしていただきました

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花苗のコーディネートを終え、さあ植栽開始

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ボランティアさんのアドバイスを受けながら植栽を行いました

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 花の植え付けが終わった後は、生徒さんがパンジーにジョウロで水やりをたっぷり行いました。

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看板を設置して午前の作業終了

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午後からは、日産フィールド小机の落ち葉清掃を行いました。

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 60ℓのゴミ袋6個分の落ち葉清掃をしていただきました。

 また、新横浜公園にはパンジー以外もさまざまな種類の花や樹木が植えられています。是非そちらも一緒にご覧になってください。

 麻生養護学校元石川分教室生徒の皆さん、パンジー花植えのご協力ありがとうございました。

 10月3日、秋の日差しの中「日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会」が主管して、公募した18家族が稲刈り体験を行いました。5月23日に田植えをした稲は、ボランティアさんの水の管理や水草取りのメンテナンスに手掛けられて黄金色に成長しました。

 稲刈り開催日の前日深夜、また前々日の台風16号の大雨で田んぼに雨水が溜まり、ボランティアさんが当日の朝からポンプで排水作業をして参加者の集合時間に間に合わせました。

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 最初は鎌の持ち方も慣れてなく、泥で足を取られることが気になって、稲を刈ることができませんでしたが、ボランティアさん、お父さん、お母さんの協力でだんだん上手く刈ることができました。

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 刈り込み作業も慣れてきた子どもたちは、ザリガニやバッタ、コオロギを見つけて楽しんでいました。10時に作業を開始して1時間後には、すべての稲を刈り入れることができました。

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 今回、皆さんが収穫した稲は、田んぼのフェンスに"はざ掛け"され、約10日から2週間ほど天日干ししてからボランティアさん有志の方が脱穀作業を行います。

 今年は鶴見川の越流の影響もなく、天候にも恵まれたので収穫量がどのくらいになるか楽しみです。

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芝生観察日記 第120話

芝生観察日記の第百二十話です。

令和三年10月13日(水)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 ずいぶんご無沙汰してしまいましたが、久しぶりの観察日記です。

 Road to 2019&2020 として、ラグビーワールドカップと東京2020オリンピックに向けた芝生管理について綴ってきました。しかし、東京2020オリンピックはご存知の通り、大会直前まで開催に関する詳細が決まらずやきもきし、最終的には無観客での開催となりました。

 無観客での開催は、残念ですが世の中の状況を考えると仕方ありません。それでも開催できたことで目標としてきたオリンピックのサッカー決勝戦会場として歴史に名を残すことができ、光栄なことです。

 これにより、サッカーとラグビーのワールドカップに加え、オリンピックサッカーという世界3大スポーツの決勝戦を開催した世界で唯一のスタジアム「Final Stadium×3」となりました。

 本来であれば、大会前・中・後という感じで観察日記を更新していくつもりでしたが、東京2020はスタジアム内の情報等の配信に制限があったため、ついつい更新を先送りしてしまいました。

 既に、東京2020のサッカー競技が終わって2カ月が経過し、喜怒哀楽の様々な思い出も薄れかけていますが、記憶を辿りながら少し東京2020の状況を回想します。

 今回、東京2020を迎えるにあたり、日産スタジアムではハイブリッド芝を卒業して従来のティフトン419に芝種を変更して大会を迎えました。

 芝種が変わり、大会に向けた養生管理を始めた矢先の6月14日には梅雨入りし、大会直前の7月16日の梅雨明けまでティフトンの生育に欠かせない気温と日照時間が足りない天候が続きました。

 元々、今大会は17日間で11試合という大変過密な試合日程だったため、よっぽどの強い芝生でなければ張替え等の補修作業に追われるだろうと不安視していましたが、低温・日照不足の梅雨空によりそのネガティブな想定が真実味を増していきました。

 しかし、幸い梅雨明け翌日からは連日夏空となり、急激にティフトンの生育が旺盛になり、見る見るうちにコンディションは向上していき、大会中も概ね天候に恵まれました。

 大会中は、試合間隔や試合数などを考慮し、刈高を16㍉から最大20㍉に上げる試合もありましたが、決勝戦は18㍉で迎えて、最も傷みが激しい状態であるはずが、大会を通じて一番良い状態で決勝戦を迎えられたと我々的には自負できる状態に仕上がりました。

 決勝戦前日には、東京の新国立競技場で開催されるはずだった女子の決勝戦が急遽会場を横浜に変更して開催するという想定外の事態となりましたが断れるはずがありません。また、幸い芝生的にも受け入れ可能な状態であったため、17日間で12試合という大役を滞りなく全うすることができました。

 今大会は、FIFA(国際サッカー連盟)の芝生担当マネージャーがほぼ毎日付きっきりで芝生の状態や管理作業をチェックし、刈高や肥料に至るまで細かい指示がありました。意見の相違からストレスを感じるも場面もありましたが、世界一の国を決める大事な舞台を任された彼の重責も理解し、お互いに歩み寄りながら決勝戦が終わった後には、「いろいろと対応してくれてありがとう」という感謝の言葉をもらい、最後に信頼を得られたような気がして安堵することができました。

 あれから2カ月、9月21日には例年通り播種を行い、優勝を争うマリノスを足元からバックアップできるようにいつもの通常の管理に戻っています。

 マリノスが日産スタジアムに戻ってくるのは、今週末16日のコンサドーレ札幌戦からとなります。現在、ライグラスは4葉となり、完璧とまではいきませんが、良い状態で迎えられそうです。

 

 文字ばかりでは寂しいので、今日撮った写真を添付します。

IMG-0694.jpgIMG-0695.jpgIMG-0696.jpgRoad to 2019&2020は、今回までとし、次回からは再び日常管理を綴っていきます。

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