観察日 : 2022年 8月30日(火)
場 所 : 水路付近
動 物 : キアゲハ、オンブバッタ、ニホンカナヘビ
植 物 : ツユクサ、マルバツユクサ、ガガイモ、ハマカンゾウ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
雨が降り出しそうな曇り空。時折吹く風に暖かさはなく、秋の近づきを感じます。今回は田んぼの方の水路から観察開始。水路の流れや植物の様子を見ていると、緑に黒い縞模様がある大きなイモムシがいました。キアゲハの幼虫です。よく見ると近くにもう2匹。食草のセリを食べていました。他の場所でも多数確認。6月、7月はあまり目にしませんでしたが、幼虫が成長して、急に目立ってきたのかもしれません。
緑に黒い縞模様のキアゲハの幼虫
セリに産卵するキアゲハ(8月19日) 産みつけた卵。すぐそばには幼虫(8月19日)
キアゲハの幼虫以外にも、セリをむしゃむしゃ食べている生きものがいました。オンブバッタです。バッタは、イネ科の植物を食べるものと思っていましたが、オンブバッタの食性は広く、様々な植物を食べるようです。
セリを食べるオンブバッタ
お馴染みのツユクサ。青い花びらがとても涼しげですね。近くには、ツユクサに似たマルバツユクサも咲いていました。名前の通り葉が円いため、見分けは容易です。関東地方以西の海岸に近い場所に自生。県内で見られるものは、栽培品と考えられているようです。
ツユクサ マルバツユクサ
水路には、ツルマメやヤブガラシ、ガガイモ、クズなど何種類かのつる草が生えています。咲いていたのは、星形で毛が密生した可愛らしいガガイモの花。所々にコアオハナムグリが訪れており、名前の通り花に潜っているものも。花粉や蜜を食べているのでしょう。体表には毛が生えており、花粉がたくさんつきやすそう。虫媒花の受粉を担う代表的な一種と言えるのではないかと思います。
ガガイモの花にやってきたコアオハナムグリ
ハマカンゾウは、8月中旬から下旬が花盛り。この日は、107輪咲いていました。尾瀬で有名なニッコウキスゲ(和名:ゼンテイカ)と同じワスレグサ科の一種。英名では、Daylily(デイリリー)と呼ばれるように一日花です。花は美しく、若葉や乾燥させたつぼみ(金針菜)は食用に。グランドカバーとしての能力も高く、鶴見川の川辺に多く、花粉症の一因となっているネズミホソムギ等の外来種対策としても有効であるため、鶴見川流域では、ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ハマカンゾウを広げていく活動が行われています。矢印の場所では、カナムグラのつるに乗っかり、お花見をしているようにも見えるニホンカナヘビの姿もありました。
ニホンカナヘビもハマカンゾウをお花見?
秋の訪れを感じる季節になりました。
毎年も新横浜公園の田んぼに案山子(かかし)が登場しました。
今年は諸般の事情で、日産スタジアム運営ボランティア「グリーン&クリーン部会」の皆さんが、田んぼに植えたお米の豊作を祈って自分たちの古着や靴などを持ち寄って制作しました。
今年の夏は暑い日が続きましたが、天候にも恵まれて稲穂も順調に育っています。
田んぼの隣の花壇は、こちらも運営ボランティアさんが、花の植え込みから水の管理を手掛けています。
現在はルドベキア、コスモス、ジニア(百日草)、ポーチュラカが開花しています。ホオズキの実も葉脈の姿になってきました。
これからの季節は、菊、フジ、ムラサキシキブ、キダチダリア(皇帝ダリア)などが花をつけて園路に彩を添えて楽しめそうです。
また、花壇には海を超えて長距離を移動する「渡り蝶」アサギマダラを招くために、蝶が花の香りを好むフジバカマを植えてあります。いつかアサギマダラが新横浜公園に飛来することを楽しみにしています。
10月上旬には稲刈りを行います。毎年40キロ前後の収穫が見込まれます。
皆さん、公園に見に来て下さいね。
〜新横浜公園ナチュラルガーデン ブログ〜 2022年8月
8月は、5日と26日にガーデンのメンテナンスを行いました。日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会の皆さんがお手伝いして下さり、"ワインディング パス"では、ヤブガラシなどの除草やガーデン後方の植栽の剪定などを行いました。蒸し暑い日でしたが、ボランティアの皆さんのお陰で作業がとてもはかどりました。6月に植え付けた植物は、猛暑にも負けず元気に育ってくれています。
オレンジ色のヘリオプシス'ブリーディングハーツ'は、初夏から沢山の花を咲かせています。咲き進むにしたがって、花色が変化するので、そのグラデーションも素敵です。
ウツボグサは、「夏枯草」という名前もあるとおり、夏は咲き終わった花穂の部分が茶色くなり、枯れたように見えます。昔から薬草として使われ、花言葉は「優しく癒す」
6月上旬、植え付け直後の様子 8月の様子
ゼフィランサスは2種類植えられています。白い花のゼフィランサス カンジタ(タマスダレ)と、ピンクの花が咲くゼフィランサス カリナータ(サフランモドキ)。まとまった雨の後に一斉に花が咲くので、「レインリリー」という素敵な呼び名もあります。
ヘリオプシス'ブリーディングハーツ'の後ろに咲いている淡いピンク色の花は、ユーパトリウム'レッドドワーフ'
ボーダーガーデンとロータリーガーデンでは、伸びすぎた植物の切り戻しや花がら摘み、除草などを行いました。
ボーダーガーデン
ロータリーガーデン
ロータリーガーデンのシュウメイギクが咲き始めています。少しずつ、秋の気配を感じますね。
記事作成:貝瀬洋子(studio nazuna)
2022年7月18日
横浜市では「食育推進計画」を推進しています。
先日5月26日に小机小学校2年生全員で植え付けてもらったサツマイモは、約2か月を経過して苗が立派に育ちましたが、周りの雑草も大きく生い茂りました。
そのサツマイモ畑ですが7月18日には、日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)4名の皆さんに草むしりを行っていただきました。
大変暑い中をありがとうございました。
雑草はキレイに除草していただけ、立派に成長したサツマイモの苗が大きく姿を現しました。
新横浜公園にお越しの際には是非、サツマイモの生育状況を温かい眼差しで、ご覧になってください。
・Before(5月)・After(7月)
観察日 : 2022年 7月25日(月)
場 所 : 大池付近、水路付近
生きもの: ハシボソガラス、モズ、タイワンウチワヤンマ、ヒメアカタテハ、ゴマダラチョウ、コムラサキ、コガタスズメバチ、ハナムグリの仲間
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
「チーーー」、「ジリジリジリ...」 公園内に響くニイニイゼミとアブラゼミの鳴き声。時折、ミンミンゼミの声も聞こえてきます。ひと月前は、ヤブキリの声が草むらからよく聞こえていましたが、虫の声もすっかり夏になりました。
クルミの木の枝にとまる黒い鳥。カラスだろうと思いましたが、頭の上がとがっています。こんな鳥がいたかと思いながら、静かに近くの木の幹に隠れ、カメラのシャッターを切りました。
新横浜公園で初確認の鳥か?!
少しの間様子をうかがっていると、頭が動いたのですかさずシャッター。とがった頭に見えたのは嘴(くちばし)で、ハシボソガラスでした。この日も30℃を超える暑さ。息を切らしたように呼吸をしていましたが、体温調節の1つとして、嘴を開けて浅く早い呼吸を行い、体温を下げるようです。
ハシボソガラスでした。
大池に出ると、タイワンウチワヤンマが水辺に生えるサンカクイにとまっていました。ウチワヤンマによく似ていますが、腹部の先の方のうちわ状の膨らみが小さく黒色です。近くを飛ぶコシアキトンボと縄張りを争ってはサンカクイにとまっていました。
タイワンウチワヤンマ
大池沿いを観察していきますが、アオサギとハシボソガラス、タイワンウチワヤンマ、コシアキトンボといったような状況。この炎天下のためか、なかなか生きものに出会えません。バタフライガーデンから折り返して、水路を中心に観察していきました。水路には、盆花とも呼ばれているミソハギが、今年もたくさん咲いていました。ヒメアカタテハが吸蜜に訪れていました。
ミソハギとヒメアカタテハ
修景池の近くまで来たとき、「キーーキィキィキィ」という大きな声。聞こえてきた辺りを丹念に探ると、樹冠の中にモズの幼鳥がいました。5分ほど観察していましたが、最初のハシボソガラス同様、ずっと嘴(くちばし)が開きっぱなしでした。なんとか暑い夏を乗り切ってほしいです。みなさんも熱中症には十分お気を付けください。
木陰で休むモズの幼鳥
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夏と言えば、カブトムシやクワガタムシなど樹液に集まる昆虫ですね。今回、クヌギが樹液を出している場所を見つけ、ゴマダラチョウ、コムラサキ、ハナムグリの仲間(シロテンハナムグリ?)、コガタスズメバチが集まっていました。おそらくスズメバチが樹皮を削って樹液が浸み出したのかと思われます。樹木は樹皮を回復させようとしますので、傷つける生きものがいないと樹液はしだいに止まっていきます。この場所もいつまで出ているか分かりません。みなさんもぜひ樹液の出ている場所を探して、集まっている昆虫を観察してみてください。
・樹液を出させようと人為的に樹皮を傷つけることはしないようにしましょう。
・公園内で採集した生きものは、放してあげるなどの配慮をお願いいたします。
クヌギの樹液に集まる昆虫
(ゴマダラチョウ、コムラサキ、コガタスズメバチ、シロテンハナムグリ?)