〜新横浜公園ナチュラルガーデン ブログ〜 2022年11月
この季節でも、"ワインディング パス"のエキナセア パープレアやブッドレア 藍姫は、ずっと花を咲かせてくれています。
11月のメンテナンスは3回行いましたが、3ケ所のガーデンに色々な球根を植え付けました。今回も、日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会の皆さんが、活躍して下さいました。作業がしやすいように、グラスの葉を縛り、自然な感じに生えてくるよう、球根をばらまきながら植え付けていきます。
ボーダーガーデンとロータリーガーデンは、防草シートが敷かれているため、カッターでシートを切りながら植えていくので大変でした。
スノードロップ、ムスカリ、シラー・シベリカ、スイセン、チューリップ、バイモユリ・・・。どこに、どんなお花が咲くのか、春が楽しみですね。
"ワインディング パス"の樽型コンテナは、冬でもお花を楽しめるよう、パンジーやストックなどに植え替えました。
ラベンダー、シロタエギク、スティパ テヌイッシマ、ユーパトリウム ミルシニテスは、それぞれ葉の色や形が全く違うので、面白いですね。
ロータリーガーデンは、ミューレンベルギア カピラリスの穂がフワフワと風に揺れて、とても美しい光景です。
記事作成:貝瀬洋子(studio nazuna)
観察日 : 2022年 11月18日(金)
場 所 : 大池
生きもの: コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、オオバン、バン、ノスリ、ゾウミジンコの仲間
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
すっきりとした青空。ソメイヨシノやエノキなど、落葉樹の紅葉が映えます。大池は、11月に入ってようやく冬鳥のカモ類や、オオバンが多く見られるようになってきました。
常連のコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロの多くは、対岸のガマやアシなどが生える水際で休んでいましたが、観察していると徐々に水面に展開して泳いで移動したり、餌をとり始めました。数は、コガモ15羽、オカヨシガモ10羽、ハシビロガモ40羽、キンクロハジロ3羽ほどでした。
手前黄色はエノキ。池沿い奥がソメイヨシノ
オカヨシガモ(カモ科) コガモ(カモ科)
換羽(かんう)が終わるまでもう少し
キンクロハジロ(カモ科)
ハシビロガモ(カモ科) 採食している様子
ハシビロガモは、特徴的な幅広の嘴を水につけ、プランクトンを濾しとって食べるといわれています。夏の大池にミジンコ等のプランクトンが多いことは、生きもの観察会の顕微鏡観察で確認していましたが、冬はどうでしょうか。プランクトンネットを使って調べてみました。ネットを投げて、4mほど引いた結果は写真のとおり。ものすごい数のプランクトンがとれました。顕微鏡で見ると、ほとんどがゾウミジンコの仲間。冬もこれだけの食べものがあるのであれば、ハシビロガモが多く飛来することにも納得です。
すごい数のプランクトン ゾウミジンコの仲間
※新横浜公園四季折々の生きもの観察会 第1回「池の生きものを観察しよう!~微生物編~」で顕微鏡の観察を行いました。その様子も是非ご覧ください。
https://www.nissan-stadium.jp/blog/2021/06/20216191.html
黒い羽色に、白いひたいと嘴が特徴的なオオバン。集団で岸辺の草地に上陸して草を食べる風景が、また見られるようになりました。オオバンは秋から春にかけての越冬シーズンを過ごします。同じクイナの仲間で留鳥のバンは、成長と幼鳥を見ることができました。
オオバン(クイナ科) 集団で草を食べている様子
バン(クイナ科) バンの幼鳥
越流堤防下流側の河川カメラの上にとまっているノスリ。やがてハシボソガラスが3羽やってきて、モビング(疑似攻撃)を始めました。かすめるように飛んだり、鳴いたりしますが、ノスリはカラスの様子を伺うも手出しすることはなく、どっしり構えて受け流しているようにも見えました。肝がすわった沈着冷静なノスリでした。
ノスリにモビングするハシボソガラス
未来を担う小机小学校の児童の皆さんに、地元の新横浜公園で「環境と食の行動」を体験していただき、その恵みの大切さを学んでいただきたいと、5月25日に2年生の皆さんにサツマイモの苗木を植えていただきました。その苗がすくすくと育ち収穫の時期を迎えることができました。
また収穫日に備えてはサツマイモのつる切りや子供達が掘り起こしやすいようにと、日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)の皆様が事前に準備をしてくださいました。
10月20日当日は晴天に恵まれ、小机小学校2年生の皆さんが元気に来園してくれました。これからサツマイモを掘る準備。
ボランティアの皆さんから掘り方などのアドバイスを受けて、これから皆で元気良くサツマイモ掘りにチャレンジします。
みんな目を輝かせて楽しそうにサツマイモ掘りをしてくれました。
掘ってみたら、大きなサツマイモから小さなサツマイモまで・・
大収穫で食育体験学習は幕を下ろすことができました。
収穫したサツマイモは子供達に1個ずつ持ち帰っていただき、残りのサツマイモは10月27日に学校にお届けしました。給食で調理されたサツマイモを美味しくいただいてください。ボランティアの皆様もご協力をありがとうございました。
芝生観察日記の第百三十話です。
令和四年11月2日(水)
10月29日、我らがF・マリノスの今季ホーム最終戦となる浦和レッズとの試合が行われました。
当日は快晴の空の下、優勝の瞬間をスタジアムで見届けようと46,387名のサポーターの皆さまにご来場いただきました。
7月以降、思うようにピッチコンディションが整わずチームをサポートできない歯痒さを感じる日々でした。
前回お伝えしたように今年は、5年に一度受けなければならない日本陸連の公認検定に向けた工事の関係で、冬の間は芝生の作業ができないため、通例となっている冬芝のオーバーシードを行っていません。そのため、現在も厳しい管理が強いられています。
しかし、この日の試合が今年最後の利用となるので、キーパーチームとして可能な限りの手を尽くしました。
何より、オーバーシードを行っていないため夏芝のティフトンがむき出しの状況であり、日々気温が低下する中でいつ退色してしまうか分からなかったので保温のため全面にシートを掛けました。不織布とワリフという2種類を重ねることによって表面温度が数度上がることが期待できます。この時季としては珍しい作業です。
16日天皇杯終了後 → 天皇杯翌日
そして、8日のガンバ戦、12日の磐田戦、16日の天皇杯決勝と試合が立て続けに行われた結果、両方のゴール前は激しく傷んでしまったため、天皇杯終了後に速やかに張替えを行いました。更に、ピッチ全面に残る細かい傷はホールカップを使い1か所ずつ補修を行いました。その数、実に1,000か所に迫ります。
人間だったら肥満が気になるくらい肥料もタップリと施し、29日に備えました。
そして迎えた決戦の日。シートで保温されたティフトンは、期待通り密度と緑度を増し、日照時間が少ない場所以外は、何とか景観的には格好がつきました。
写真は、29日のハーフタイムに撮ったもので、最も日照時間が少ない南側(メインスタンド アウェイ側)の状況です。既に1日3時間ほどしか陽が当たらず、まともに光合成すらできないティフトンは緑度を失い、根も下りていない厳しい状況です。そのため、天皇杯の日にも起こりましたが、選手がコーナーキックの際に踏み込んだ部分の芝生が捲れ、試合中に審判から手直しを指示される異例の事態がピッチの端の方で起きていました。長いこと管理させていただいていますが、あまりこういうケースは記憶にありません。
写真は試合後の状況です。また逆戻りした感じですが、試合は4対1でF・マリノスが3点差を付けて大勝してくれたので気持ちは救われました。残念ながら優勝は最終節に持ち越しとなりましたが、各方面から29日の試合までに芝生を何とか。。。と、懇願されていたので、決してベストな状態ではありませんが、少しはお役に立てたかなと安堵しています。
これで今年の利用は全て終了し、来春の陸上公認検定に向けた工事が急ピッチで進んでいきます。
今後は、初めてオーバーシードをしない状態で来春のJリーグ開幕を迎えなくてはならないため、新たなチャレンジが必要になりそうです。その過程を、工事の合間でまた報告していきます。
観察日 : 2022年 10月25日(火)
場 所 : 水路付近
動 物 : タシギ
植 物 : ミゾソバ、ボントクタデ、コブナグサ、コミカンソウ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
秋も終盤。初冬の寒さになるという予報に、気おくれしていましたが、いざ公園に入るとさほど寒さは感じませんでした。風が弱かったおかげですね。
草地広場そばの水路には、白い花がたくさん。ミゾソバです。枝先に何十個もの花が集まっており、いくつか花びらが開いていました。花びらの色合いは、場所によって赤みが強いものや白が強いものなど様々見られます。
花びらの先がピンク色で可愛らしいですね。
こちらもミゾソバと同じような湿った場所に生えるボントクタデ。ボントクの由来は、葉に辛みのあるヤナギタデ(本蓼、真蓼)と比べて、辛みがなく役に立たないことから来ているようですが、私はとても好きな植物の1つです。花序が垂れている様子や、茎とつぼみの赤み、白い花がなんとも言えない美しさを感じます。
ボントクタデ
第2レストハウスそばの水路にやってきました。ここは、秋から春の時期に飛来しているタシギがよく確認できている場所の1つでもあるため、慎重に歩を進めます。上流1本目の橋までは何もなし。その橋から下手の水路の様子を見ようとしたとき、「ジェッ!」という鳴き声とともに飛翔。橋のすぐそばの階段下辺りにいたようでした。またしても先に気づかれたかと敗北を感じつつ、降り立った水路の下流の場所を目に焼き付けました。忍び足で移動し、丹念に探すもタシギらしき姿は見当たらず。合流点に突き当たったため、今度は対岸から。着地したポイントに近づき、双眼鏡で探し始めてすぐにタシギを発見。水路に高低差があり、ヒメガマやセイタカアワダチソウなどの植物が高く茂っていたおかげで、ほぼ真上からの写真も撮ることができました。
水路に潜むタシギ
この時期になると、水路の水辺には小鮒のような葉の形の植物がたくさん見られます。コブナグサです。染料とする植物として有名で、八丈島で作られている黄八丈(絹織物)の黄色は、本種からとります。低茎で刈りやすいことから刈安(かりやす)とも呼ばれています。
コブナグサの穂 フナの形のような葉っぱ
最後に紹介するのは、これからが旬の果物に見えることから名づけられた植物です。「こたつに○○○」と言えば、もう分かりますね。そう、ミカンです。実が小さなミカンに見えることから、コミカンソウと名づけられました。植物を上から見ると、オジギソウのようですが、マメ科ではなく、コミカンソウ科に属します(よく見ると葉が互い違い出ています)。実は、葉の裏側についていますので、みなさんもぜひ探してみてください。
コミカンソウ 実が小さなミカンのよう