観察日 : 2020年 8月14日(金)

場 所 : バタフライガーデン周辺、水路周辺、大池周辺

生きもの: ショウリョウバッタ、ハラビロカマキリ、スッポン

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 梅雨が明けたのは良いのですが、急にやってきた異常な暑さのせいで早くもバテてしまいそうです。その反面、セミの大合唱もやっと聴こえてくるようになり夏本番で嬉しい気持ちもあります。

 さて、今日は暑さが厳しくなる前の時間帯に観察へ向かいました。とはいえ、朝7時の時点で既に30℃近い気温になっていて、少し動いただけでも汗が吹き出てきます。暑さにはめっぽう弱いので、日陰で小休止しながら観察をしていくことにします。朝の人が少ない時間なので、まずは園路に出てきている生きものはいないか探してみましょう。前方10mほどのところに笹の葉のようなものが落ちて・・・いえ、歩いています!近づいて逃げられてしまっては嫌なので、カメラでズームアップしてみます。シュッとした体型に長い後脚と顔。昆虫図鑑に絶対載っている大きなバッタの仲間、「ショウリョウバッタ」でした。

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ショウリョウバッタ(上:♀/下♂・・・雌雄で体格が全く違います。)

  上の2枚の写真で上の体格のガッチリしている個体がメス、下の華奢な体格の個体がオスです。雌雄ともによく飛びますが、オスは飛ぶときに「キチキチ」と音を立てるため、「キチキチバッタ」と呼ばれることもあります。体格が大きく違うので別種と思われがちですが、種類を調べるときは要注意です。ショウリョウバッタは漢字で「精霊飛蝗」と書き、お盆の時期に成虫が現れることや、精霊流しで流す精霊船に形が似ていること等が名前の由来とする説があります。確かに、つい先月までは見かけるのはまだ翅(はね)の短い幼体ばかりでした。生きものの名前の由来は調べてみるとなかなか奥が深くて面白いので、みなさんも気になった生きものがいたら是非、調べてみてください!

 写真を数枚撮ったところでショウリョウバッタは草むらの方に逃げて行ってしまいました。昆虫にとってもアスファルトでできた園路は暑かったのでしょうか。いつもはこの後大池の方へ向かうのですが、今日は少しルートを変えて水路の方へ向かいました。水路脇から視線を感じたので、上を向いてみるとクワの木の枝から「ハラビロカマキリ」に見られていました。

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こちらを覗き込むハラビロカマキリ

 樹上性のカマキリとしても知られるハラビロカマキリ。新横浜公園でも夏場によく見かけますが、このクワの木で3年ほど連続して確認できています。お気に入りの場所なのか、人が通っても逃げる気配は全くありませんでした。

 ハラビロカマキリとはここでお別れし、大池へと向かいます。観察をはじめて約2時間。気温が上がってきました。スマートフォンで気温を確認すると・・・32℃!?暑い、暑すぎる・・・。ただ、これだけ気温が高くて日差しがあれば、カメたちが甲羅干しをしているかもしれません。カメラ越しに大池の対岸を見てみると、大物がいました!「スッポン」です。

 

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甲羅干しをするスッポン

 

 写真では少しわかりにくいかもしれませんが、シュノーケル状に伸びた鼻に舟のオールのような脚、柔らかい甲羅がスッポンの特徴です。これくらいの大きなスッポンは久しぶりに観察できました。感動しつつも「こんなに暑いのに、よく大丈夫だなぁ・・・」と私はただただ感心するのみでした。

 地域によっては40℃を超える気温になる日もあります。新型コロナ対策でマスクは必須となっていますが、熱中症にも十分に気をつけて新横浜公園をご利用下さい!

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芝生観察日記 第103話

芝生観察日記の第百三話です。

令和二年8月11日(火)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 梅雨が明けて連日猛暑が続いています。ここ3日は猛暑日となり危険な暑さです。

皆さんも熱中症には十分注意してください。

 そんな猛暑の中でも夏芝は元気です。特にセレブレーションに勢いが出てきました。

 今日は、セレブレーションへのバーチカルカット実施状況を報告したいと思いますが、まずは先日行われたJリーグ後の状況です。

①_全景.jpg 

 試合の結果は、ご存知の通り残念ながら1対1の引き分けでした。サポートしきれていない歯痒さを感じています。。。

②_2020.8.8柏戦後ダメージ(近).jpg③_転圧前後.jpg

 そして、試合後の状況ですが、夏芝特有の毛羽立つような細かな傷はできましたが、試合後に転圧して浮き上がった傷口の芝生を押さえつけると目立たなくなりました。サッチング、バーチドレンという更新作業が続いた後だったので影響が出るかなと若干気になりましたが、特に支障はなく、長梅雨の影響から着実に上向いている感じを受けました。

 ちなみに当日の表面硬度は、86Gmでバーチドレンを掛けていなかったらどうだったのでしょうか。

 次の試合は、23日の広島戦となります。この先は、新型コロナウイルスの影響で試合間隔が非常にタイトです。この2週間という期間は、養生期間であると共に大事な管理作業ができる期間でもあります。

 このタイミングで、夏芝にとって大変重要な作業であるバーチカルカットを掛けるのか、掛けないのか。芝生を良くするという目標は同じですが、プロセスにおいてキーパーチームの中でも意見が分かれました。

 バーチカルカットについては、このブログの他、「日産スタジアムのスポーツターフ」等にも出てきているので詳細は省略しますが、先日行ったサッチングの更に強い更新作業と理解してください。

④_バーチ作業中(グレーデン).jpg⑤_バーチ後カス.jpg

 夏芝にとって、特にハイブリッド芝と同時に採用されたセレブレーションという新種の夏芝には必然の作業なのです。ただ、これは本場アメリカでの話で、気候が違う日本、特に今年は長梅雨の影響で芝生自体の体力が低下している状況で果たして強い更新作業を行って2週間後の試合に間に合うのかという論点で議論が深まりました。東京2020に向けて一緒にワーキングチームに参加いただいている外部の有識者にも相談しました。

 最終的な結論は、「Go!」です。梅雨が明けて本格的な夏となり、セレブレーションは要求量の高い陽光と気温を得たことで急速に勢いを取り戻し、著しい生育が見られることと、この先も猛暑が続く予報を考慮して実施することとしました。

⑥_刈込み後.jpg

 バーチカルを掛けた直後は、細切れになったランナーが表面を覆っていましたが、スイーパーでカスを回収して、刈込みを行った後の状況が上の写真です。ただ、この写真では大したことなさそうですが、実際は結構な荒療治です。     

 ハイブリッド芝に張り替えて三年。セレブレーションという新種バミューダグラスの特性も少しずつ分かってきました。

 天気予報はあくまでも予報であり、近年の気象状況を考えると絶対はありませんが、当てが外れたらどうしよう。と、恐れていては前進しません。

 今回は、一昨年アメリカへ視察に行った際、現地のグラウンドキーパーから学んだセレブレーション特有の管理手法を基本として、これまで蓄積してきた経験を信じてトライすることにしました。

 今回のトライが、日本の様々な環境要因に適合するのか、試行錯誤の日々です。

 今後の状況は、また報告します。

観察日 : 2020年 7月28日(火)

場 所 : 大池、水路など

植 物 : ミソハギ

動 物 : ウチワヤンマ、カブトムシ、ノコギリクワガタ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 

 8月を直前にして、梅雨が明けそうで明けず、ぐずつく日が続いていました。この日はお昼過ぎまでは曇りの予報でしたが、10時頃に公園に着くとすでに雨がぱらついていました。こんな天気だからこそ、なにか良い生きものに出会えるのではと期待して観察をスタートしました。

 園内に入って早速聴こえてきたのは、「ジリジリジリ(アブラゼミ)」、「チーーー(ニイニイゼミ)」という賑やかなセミの鳴き声。こんな天気でもセミの声を聞くと夏を感じます。大池の様子を見に行くと、岸近くの水面上を飛ぶウチワヤンマを発見。腹部の先の方がうちわ状に広がっていることが名前の由来です。思うと最近は、うちわで扇ぐという機会がほとんどなくなってきましたね。よく見ると何か捕まえており、草の先端にとまって食べ始めました。獲物を確認しようと双眼鏡越しに目を凝らしますが、どんどん口の中に入っていったため、よく分かりませんでした。

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食事中のウチワヤンマ

 夏の昆虫と言えば、カブトムシやクワガタムシですね。大池の野鳥などの様子を見ながら、木も一本一本隈なく探していると、枝の先の方に黒っぽい大きめの生きものを見つけました。立派な角のカブトムシの雄です。写真では、罠に引っかかってそうな感じに見えますが、しっかり枝につかまっていました。子どもがいたら「カブトムシがいたー!」と大声で叫びそうですね。

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カブトムシ

 

  バタフライガーデンのそばを通ると、水路にはたくさんのミソハギが花を咲かせていました。湿地に生える多年草で、お盆の頃に咲くことから盆花とも呼ばれ、仏壇やお墓に供える花として有名です。真夏の暑く花が少ない時期には貴重ですね。お供え物などにミソハギに含ませた水をかけるのは、仏様の渇きを癒すためだろうと言われているようです。あまり知られていませんが生薬にもされており、千屈菜(せんくつさい)といって下痢止めや喉の渇きを止めるなどの効果があるようです。

 DSCN9984.jpgDSCN9985.jpg

赤紫色の花がきれいなミソハギ

 

 観察も終盤になり、あとは流すように木を確認していこうと、今まではあまりマークしていなかったドッグランそばの木を見ていると、いましたノコギリクワガタ。写真では分かりにくいですが雄の下に雌もいます。ドッグランや第3レストハウス、園路にもたくさん人がいるそばに、灯台下暗しとはまさにこのことですね。

 週間天気をみると、ようやく晴れマークが多くなってきました。今度は確実に梅雨が明けてほしいものです。今年の夏の暑さはどれほどになるのか、熱中症には十分注意して新横浜公園の自然観察を楽しみましょう。また、公園内の生きものは園外に持ち出さないようご配慮をお願いいたします。

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ノコギリクワガタ

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芝生観察日記 第102話

芝生観察日記の第百二話です。

令和二年8月 7日(金)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 8月1日に待望の梅雨明けが発表されました。記録的な長梅雨で、もう雨は要らないと切に願っていましたが、いざ梅雨が明けてみると連日の猛暑となり、今度は乾燥害が心配で水撒きに追われる日々です。

 梅雨が明けて、ようやく夏だと喜んでばかりはいられません。今日8月7日は「立秋」。暦の上では秋です。ヒグラシの鳴き声、赤とんぼ、屋根付きスタジアムの宿命でもある日照時間の減少と、秋が近づいているのを感じながら芝生にとっては重要な夏場の管理作業を行っています。

 前話でも書きましたが、夏場の管理作業により如何に夏芝に体力を付けるかが来年の状態を左右すると言っても過言ではありません。

 今月、日産スタジアムではJリーグが3試合予定されています。この試合と試合の合間を縫って重要な作業を計画的に進めて行きます。

 とはいえ、来年のことだけを考えている訳ではありません。明日行われるJリーグに向けてハイブリッド芝の特徴でもある、表面硬度の改善を図るため4日にバーチドレンを掛けました。

①_機械.jpg②_メモリ.jpg

 サッカーに求められる表面硬度の基準は、専用のインパクトテスターで20-80Gmと以前のブログで書いていますが、今回バーチドレンを掛ける前に測ると100Gmを超える状況でした。

 芝生の刈高10㎜に加え、猛暑により乾燥気味だったため、通常よりも高かった可能性はありますが、普通に歩いた感触でも硬さを感じる状態でした。

 そのため、バーチドレンの貫入深度をいつもより深めの15㎝に設定し、より土壌を解すことを期待しました。いつもより深めの設定にしたことで、芝生表面が凸凹と浮き上がる状態となるため、翌日にはローラー転圧を行い表面の平坦性を確保しました。

③_作業中.jpg④_機械写真.jpg

 転圧後に測った表面硬度は、76Gmと基準値をクリアしました。試合は刈高を12㎜まで上げると、芝生の密度も若干ですが増え、散水により乾燥が癒えれば基準値をクリアしたまま試合を迎えることが出来そうです。

⑤_サッチング後.jpg⑥_現在.jpg

 写真は距離感が多少違いますが、先週実施したサッチング後よりも、葉の密度が増え、緑度も若干向上しました。

 しかし、長梅雨の影響は思ったよりも深刻だったようで、サッチング後の回復具合が想定を下回りました。長梅雨による日照不足で光合成が出来ず、芝生自体が蓄えていた養分を消耗し、いざ梅雨が明けて、勢い良く伸びようと思っても体力不足で動きが鈍いのかもしれません。

 今後は、体力を回復させるため肥料を多めに施す必要がありそうです。

 明日の試合は、前回行われた時より芝生の傷みは軽いのではないかと想定しますが、どうなることか。

 また、試合後の状況を報告します。

「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の1回目を開催しました。

この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しています。

今回は、セミが幼虫から成虫になる様子(羽化)と、木にしかけたトラップに集まる昆虫等の観察を行います。

講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)

まずは室内で、「セミの抜け殻標本の作り方」を教えていただきました。参加のみなさんは、そおっとセミの抜け殻を持ったり、ピンを慎重に刺したりして標本を作ることができました。

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npoTRネット横山さんから標本の作り方を教わりました

RIMG0037トリミング.jpgセミの抜け殻の置き場所を決めています

 

観察に出かける前に、今回のために仕掛けてあるトラップの作り方を教わりました。材料は、バナナ、ストッキング、ドライイースト、チャック付きの袋等を使いました。空気を抜き、時間をおいて発酵させるのがポイントです。

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npoTRネット阿部さんからバナナトラップの作り方を教わりました

 

それでは、日産スタジアム内のお部屋から出て観察に行きましょう。園地のトラップ仕掛け場所に向かう途中に「雷探知警報器」が鳴ったため、高架下に避難をしました。安全を考え、観察の順番を変えて、周りに避難のできる建物などがあるセミの観察場所へ先に向かうことにしました。

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高架下へ避難

 

セミの観察場所では、下に落ちている枝にもいるかもしれないので、足元にも注意して探しました。地中からでてきたと思われる穴をいくつか見つけました。そして、木の幹を見るとミンミンゼミの幼虫が登っています。私たちの頭上なので、地面から2mくらいの高さにいました。今年は梅雨が長く、雨が多かったことなどが影響したためか、例年のこの時期としてはセミが少なめでした。これからたくさん出てきてほしいですね。

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セミの観察場所

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ミンミンゼミの幼虫が幹を登っていきます

 

次はトラップ仕掛け場所に向かいます。日が落ちて空はすっかり暗くなりました。トラップにどんな虫が集まっているか、どきどき!わくわく!しながら歩いて行きます。

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この写真の中にカブトムシは何匹いるでしょう?(正解:4匹)

 

「いたー!」「こんなにカブトムシを見られたの初めて!」とみなさん大変喜んでいました。カブトムシの雄、雌、10匹以上を観察することができました。

 

次回の四季折々の生きもの観察会は8月29日(土)開催です。この日は、新横浜公園の水辺の生きものを観察します。皆様のご参加をお待ちしています。

 

なお、今回観察会のために特別にトラップ設置を行いましたが、普段は無断でのトラップ設置は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は、放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

 

【追記】

観察会中に見られなかった生きものの様子をご紹介します。また、新横浜公園に生きものを観察に来てくださいね。

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シロテンハナムグリ

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ノコギリクワガタ

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アブラゼミの幼虫

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ミンミンゼミの羽化

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