観察日 : 2019年 6月27日(木)

場 所 : 大池、園内水路

植 物 : ネジバナ

動 物 : カワセミ、ショウリョウバッタ、ツバメシジミ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 5月下旬に30℃越えしたときは、いったい6月はどれくらい暑い日が続くのだろうと不安になりましたが、案外過ごしやすく過ぎていきましたね。この前新年を迎えたばかりという感覚ですが、もう半年がたつことに恐ろしくなっている今日この頃です。

 

 いつものルートで、投てき練習場周りから観察をスタートしました。お食事中のカルガモ親子や、日向ぼっこのミシシッピアカミミガメたちを見ながら、これから始まる夏の新横浜公園の雰囲気を体に感じます。亀の甲橋下を通り過ぎて写真を撮ったのはカワセミ。今まで野鳥の撮影で使っていたカメラが壊れたため、スマホとの組み合わせで撮影してみましたが、ズームすると画像の粗さが目立ちますね。はっきり見えるところに出てきてくれないか粘りましたが、一番よかったのがこの写真でした。

IMG_2932.jpg隠れんぼのカワセミ

 

 カワセミを観察した後、大池沿いに草地を歩いていると、緑や茶色のバッタがたくさん!子どもたちが大好きショウリョウバッタです。まだ幼虫で(はね)がないので、必死にジャンプして逃げてたんですね。ショウリョウバッタがたくさんいると、ついタイリョウ(大量)バッタと言いたくなるのですが、漢字で書くと「少量」ではなく、「精霊」。長崎県を中心として行われるお盆の伝統行事である「精霊流し」の精霊船に似ていることや、その時期に成虫がみられることが由来とされているようです。

 

 シロツメクサでは、シジミチョウの仲間のツバメシジミが吸蜜をしていました。後ろの翅に突起が付いているのが特徴の1つです。翅をスリスリ擦り合わせながら吸っている様子が「うまい~!うまい~!」と喜んでいるように思えてとても可愛らしかったです。

IMG_2939.jpgショウリョウバッタ

IMG_2946.jpg

ツバメシジミ

 

 水路沿いを歩いているとねじれた花を咲かせている植物を見つけました。ネジバナです。花が小さいので分かりにくいですが、ランの仲間です。本当に面白い咲き方をする花ですよね。この変わった見た目が虫を呼び寄せるために自分を強くアピールするポイントになっていそうだなとも思います。

 

 だんだんとセミの鳴き声で賑やかになってきそうですね。夏の自然観察は、熱中症と天気の急変に注意して楽しみましょう。

IMG_3003.jpgネジバナ

ショウリョウバッタほか場所.jpg

 623()、「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)の今年度1回目の観察会を行ないました。

 

 今回は「今年はとるぞ!水辺の生きもの観察リベンジ!!」と題して、水にいる生きものがテーマです。昨年実施時は仕掛けに魚がかかってくれず悔しい思いをしたので、雪辱を果たす回となりました。

 

 講師は特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。

 

 まずは、このイベントについての説明がありました。新横浜公園は多目的遊水地になっており、鶴見川が氾濫しないように川の水を引き込むようになっていること、ハチに遭遇した時の対処法などの説明がありました。

2019生きもの観察会①_1.jpgnpoTRネット阿部さん

 

 みんな説明をしっかり頭に入れて、どんな生きものに出会えるのか期待を持ちつつ、公園内での観察会です。公園内の自然と触れ合いながら、水路の生きものがいるポイントに向かいました。

最初のポイントでは網を使って小さい生きものを狙います。npoTRネットの阿部さんより捕り方のレクチャーを受け、それぞれタモ網を使って捕まえていきます。

2019生きもの観察会①_2.jpgレクチャー中

2019生きもの観察会①_3.jpgなにがいるかな?

 

・・・みんな生きものが捕れたようです。ここで捕れたのは、カダヤシやドジョウ、ヨシノボリの仲間、アキアカネのヤゴ、アメリカザリガニなどでした。

2019生きもの観察会①_4.jpgメダカ。ではなく「カダヤシ」です

2019生きもの観察会①_5.jpgドジョウの子ども

2019生きもの観察会①_6.jpgヨシノボリの仲間

2019生きもの観察会①_7.jpgアキアカネのヤゴ

2019生きもの観察会①_8.jpgアメリカザリガニ

 

 次に修景池に移動し、あらかじめ仕掛けておいた「お魚キラー」と言われるカゴの中に餌を入れて生きものを採集する仕掛けを引き上げます。

※今回特別に仕掛けました。また自治体によっては漁業調整規則によって使用できない場合もあるためご注意ください。

2019生きもの観察会①_9.jpgゆっくりと引き上げて、、、

2019生きもの観察会①_10.jpg中に何か入っているようです!カゴをあけてみると・・・

2019生きもの観察会①_11.jpgモツゴが入っていました!!

2019生きもの観察会①_12.jpgモツゴ(一部です)この後すぐにリリースしました。

 

 大量のモツゴを観察することができました。成魚も幼魚もたくさん!(推定300匹ほどでしょうか??)

 

 モツゴの楽園となっている原因としては、泥の濁りが外敵から身を守るのに役立っていることや、岩場がよい産卵場・隠れ場になっていることが考えられます。

 

 続いて大池の生きものを観察するため、投網をしました。

2019生きもの観察会①_13.jpg見事な投網!!

2019生きもの観察会①_14.jpg慎重に引き上げていくと・・・

 

 捕獲されたのは、「ブルーギル」でした。

2019生きもの観察会①_15.jpgブルーギル(撮影者の影は気にしないで下さいね。)

 

 最後のポイントへ移動です。ここではあらかじめ仕掛けておいた定置網を引き上げました。

2019生きもの観察会①_16.jpgおや!?引き上げる前から網が動いています。何か入っているのでしょうか。

2019生きもの観察会①_17.jpg何が入っているかな?

 

 引き上げていくと、参加者から「カメーーーー!!!」と大きな声が挙がりました。正体はミシシッピアカミミガメだったようです。そのほかにここでもブルーギルが入っていました。

 2019生きもの観察会①_18.jpgミシシッピアカミミガメ(このサイズは推定30才です!)

 

 最後に、捕れた生きものの詳しい解説を行いみんなで観察しました。

 

 次回の四季折々の生きもの観察会は82()開催です。この日は、新横浜公園昆虫トラップ&セミの羽化観察をします。皆様のお申込をお待ちしております!

 

 この「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」は年5回の観察会を予定しており、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただいています。

 

 なお、今回観察会のために特別に調査用定置網の設置・投網を行いましたが、普段は無断での定置網の設置等は禁止となっております。また、公園内で捕まえた生きものは放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

芝生観察日記 第89話

芝生観察日記の第八十九話です。

令和元年6月25日(火)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 初めてのリノベーションから4週間が経過し、22日(土)にはJリーグが開催されました。

 

 このJリーグに影響しないように設定したリノベーションは、芝生密度を25%切除するもので、その後の回復状況は、梅雨時季という想定内の環境でしたが、結果は想定外でした。

 

 今年は普通の梅雨のようです。リノベーションを行うことで一番期待しているのが暖地型芝のセレブレーションが勢い良く芽を出してくれることです。しかし、日照時間が少なく、気温が低い梅雨時季特有の天候が続き、思うように芽を出してくれませんでした。対照的に寒地型芝のペレニアルライグラスは勢いを取り戻し、遠目の景観は取り繕いましたが、プレーヤー視点では決してベストな状態ではなく、選手達には申し訳ない気持ちです。

 

 それでも、F・マリノスが勝ってくれたのでホッとする一方で、7月13日に行われる浦和レッズとの大一番に向けてコンディションを上げていかなければなりません。

 

 当初は、一昨日より2回目のリノベーションを行う予定でしたが、回復状況が思わしくないため見送る判断をしました。その代わりと言っては語弊があるかもしれませんが、セレブレーションの苗を補植しています。

芝生観察日記89_1.jpg

 

 ハイブリッド芝にする前のティフトン419の時代から時々行っていた作業です。団地型芝に寒地型芝を追い蒔きするオーバーシード形式を採用している場合、ベースとなる暖地型芝はリスクを伴います。具体的に言うと競争です。同じフィールド内に性質が異なる2種類の芝種が存在することで両種が競争し、せめぎ合うのです。ある一定の時季は共存していますが、それぞれの生育適期には片方の芝種が休んでくれないと体力を維持できません。

 

 初夏から秋口に掛けて短い間しか生育適期がない暖地型芝はどうしても不利になります。この競争のほかにもスタジアムという特殊な環境下ではオーバーシードを行う秋から芝種を切り替える春のトラジションに至る経過で、暖地型芝が衰退して前年より目減りすることがあります。

 

 これを補う目的で日産スタジアムでは、これまでも暖地型芝の苗を専用の機械で補植してきました。

 

 これを今回、セレブレーションになって初めて行っています。苗はスタジアム隣接の圃場で作ったものを使用します。目的は目減りしたセレブレーションを補ってあげることです。

芝生観察日記89_2.jpg

 

 作業は、機械で筋状に切った溝に苗を植込みます。凡その苗は機械で正確に植えこまれますが、どうしてもはみ出す部分が出るため手作業で丁寧に苗を溝の中に埋めていきます。

芝生観察日記89_3.jpg

 

 写真の右側半分が機械で植え込んだ状況で、筋状に白っぽく点在しているのが苗です。写真左側半分は手作業で苗を押し込んだ後の状態です。

 

 植えた苗は早ければ1週間程度で芽が出てくれると期待していますが、芝生になるには1か月以上必要です。限られた養生期間で何とか仕上げなければなりません。

 

 7月にはJリーグのほか、海外からの強豪を招いたビッグマッチも控えています。そして今年の最終目標は、開幕100日を切ったラグビーワールドカップです。

 

 補植した苗の状況は、次回以降報告していきます。

観察日 : 2019年 6月12日(水)

場 所 : 大池周辺、水路周辺

生きもの: キマダラセセリ、コクワガタ、カルガモ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 関東地方が梅雨入りし、数日が経ちました。雨の日が多くなかなか公園の観察に行けずにいましたが、今日はなんとか夕方までは天気がもってくれそうだったので、お昼前から観察を始めました。公園内を歩き始めて5分。最初に見つけられたのはセセリチョウの1種、キマダラセセリでした。

DSCF4133_キマダラセセリ.jpgキマダラセセリ

 

 全体的に毛深く、舞うような飛び方をするので、一般的にはよくガと間違われますが、れっきとしたチョウの仲間です。焦げ茶色に黄色の模様と縁取りが特徴の小さなチョウで、この模様から「黄斑(キマダラ)」の名前があります。この写真を撮影した直後、すぐに遠くまで飛んで行ってしまいました。無事に撮影できてよかったです。

 

 キマダラセセリを追いかけて、大池沿いから少し離れ、水路の近くにやってきました。残念ながらキマダラセセリは見失ってしまいましたが、ネームプレートのついた木が目の前にあったので、そのプレートをめくってみました。すると、黒光りするあの昆虫が隠れていました!

DSCF4138_コクワガタ.jpgコクワガタ(♂)

 

 夏の昆虫の代表格、コクワガタです。クワガタの仲間では最も身近といっても過言ではないと思いますが身近だからこそ、この昆虫の魅力にどっぷりハマってしまう人もいるのだとか・・・。(私も人のことは言えませんが・・・。)それはさておき、コクワガタを見るとそろそろ夏がやってくるんだなと感じました。

 

 最後に、もう一度大池の様子を見てから観察を終えようと思い、大池沿いに戻りました。しばらく歩くと、この時期、テレビでも取り上げられる生きものがエサを探していました。

DSCF4147_カルガモ親子.jpgエサを探すカルガモの親子(奥:親、手前:ヒナ)

 

 皆さんご存知、カルガモの親子です。今日観察できたヒナたちはもうかなり大きくなっているようでしたが、親と比べるとまだまだあどけなさが残り、ぬいぐるみのようでした。親に置いて行かれないように一生懸命ついていき、せっせとエサを探していました。皆さんも見かけたら、優しく見守ってあげてくださいね。

 

 もうすぐ暑い夏がやってきます。まだまだ涼しい日もありますが、熱中症対策を万全にして、フィールドワークをお楽しみください!

キマダラセセリほか場所.jpg

芝生観察日記 第88話

芝生観察日記の第八十八話です。

令和元年6月5日(水)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 令和になって初めての芝生観察日記となります。

 

 日産スタジアムは5月26日のJリーグ翌日から4週間の芝生養生期間として、今秋開催されるラグビーワールドカップに向けた芝生作りのためにF・マリノスさんを始め、多くの関係者の理解と協力によって特殊な作業を行っています。

 

 昨年ハイブリッド芝に張替えを行い、テストマッチと位置付けられて10月27日に開催されたブレディスローカップ時の芝生の状態が、ラグビーの統括団体であるワ-ルドラグビーに大きな懸念を抱かせてしまい、以前の観察日記でも記したように今年1月より組織委員会、横浜市、日産スタジアムに国内外のコンサルティングチームを加えたワーキングチームを結成し、定期的に検討会を開催しています。

 

 主題は、ワールドカップに向けた芝生の改善策の検討です。

 

 そのワーキングの中で必須作業として決定したリノベーションを5月27日、28日に2日間かけてフィールド全面に実施しました。既に1週間が経過してしまいましたが、その時の様子を報告します。

 

 過去20年間、ハイブリッド芝に変更するまではリノベーションという言葉はブログや観察日記で登場したことはないと思います。

 

 リノベーションという言葉自体は、ビルやマンションなどの改修等で使われるため皆さんも馴染みがあるのではありませんか。

 

 しかし、芝生の管理作業においては、大規模な改修時に芝生を剥がす際に一部で使うことがあるようですが、通常の管理作業で聞いたことはありません。恐らくハイブリッド芝特有の言葉でしょう。

 

 そのため、私たちも今回が初めての経験となり、機械の設定から仕上がり面の共有までワーキングメンバーの中でも色々な意見があり、全員の意見がまとまるまで中々作業が進展しませんでした。

 

 特にワールドラグビーの意を受けた外国のコンサルチームと考え方を共有するのは至難の業でした。

作業中.jpg

刃.jpg 回転刃

 

 上の写真がリノベーション作業風景です。KOROフィールドトップメーカー(通称:FTM)を使用して行います。厚さ5㍉の刃が20㍉(刃と刃の間隔は15㍉)2列付いたリール式の回転刃が高速で回転して、芝生の表層7㍉の深さまで筋状に芝生を削り取るイメージです。削り取った芝生は右側に接続されているベルトコンベヤーにて並走するトラック吐き出して回収していきます。

実施前.jpgリノベーション実施後.jpg

 

 写真はリノベーション実施前と実施後の比較ですが、同じように作業を行っても芝生の状態によって筋の付き方や削り取られる芝生の割合が変わります。ちなみに今回の設定は、25%切除でしたが、外国チームからは50%での切除を要求されました。ちなみに50%だとこんな感じになります。

50%.jpg 

 しかし、これから梅雨入りして日照時間が減り、湿度の増加と多雨という芝生にとっては難しい季節を迎える日本で、4週間では芝生が回復しないという私たちの経験値や環境を説明して理解を得ました。 

 

 既に作業から1週間が経過しました。残る養生期間は3週間ですが、梅雨入りの声も聞かれるようになり、しびれる日々が続いています。

 

 6月22日には、Jリーグが控えています。好調を維持しているF・マリノスの選手達に迷惑は掛けられません。最善を尽くして回復を目指します。

 

 また、途中経過をご報告します。

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